2004年11月18日(木)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラク中部ファルージャへの米軍の攻撃は同地を制圧したという後の十七日も続いています。米兵が同地のモスク(イスラム教礼拝所)で負傷した非武装のイラク人にとどめの銃撃を加えたことで、アラブ各国で米国非難の世論がかつてなく高まっています。ファルージャ在住のジャーナリスト、ファディル・バドラーニ氏は同日、衛星電話を通じた本紙の取材にたいし、自身が「いつ米軍に捕まるかわからない」といいつつ、さらに衝撃的な証言をしました。
私が住民などから集めた情報を総合すれば、民間人の死者は少なくとも二千人はいます。私自身、民家で、米軍に頭を銃撃されて死亡した民間人五人の遺体を発見しました。千人以上の武装勢力を殺害したとする米軍の発表は誤りです。
現在、米軍は多くの死体をユーフラテス川に運び、遺棄しています。米軍戦車は路上に放置された多数の死体を踏みつぶしています。野良犬や猫が路上の遺体をあさっています。ファルージャ総攻撃は歴史上最も残虐なものといえます。
今も住民約十万人が市内にとどまっていますが、食料も医薬品もなく次々に死んでいます。多くは子どもと女性です。米軍は赤新月社の市街地入りをいまだに許可していません。爆撃音による精神的ショックで死亡する住民も増えています。
米軍は生き残った住民も野蛮に扱い、容赦なく拘束しています。ファルージャの惨状を伝えるジャーナリストは次々拘束されています。私自身も捕まるかもしれません。
米軍は今日も市の北部と中部で激しい無差別の爆撃、銃撃をおこなっています。路上を歩く米軍が抵抗勢力に攻撃を受ける事態も発生しています。
「ファルージャへの攻撃即時中止、アメリカはイラクから撤退しろ、自衛隊のイラク派兵延長許すな!11・30緊急集会」が三十日午後六時半から東京・日比谷野外音楽堂で開かれます。
主催は安保破棄中央実行委員会、全労連、東京地評、国民大運動実行委員会。