2004年11月20日(土)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ブダペストからの報道によると、ハンガリーのジュルチャニ首相は十八日、ハンガリー・テレビTV2のインタビューで、イラクに派兵されているハンガリー部隊のできるだけ早い帰国を国防相に指示したことを明らかにしました。
ハンガリーはバグダッド近郊に輸送部隊三百人を派兵しています。政府は当初、来年三月末まで駐留を延長させる方針でした。しかし議会は今月十五日に、これを否決。もともとの撤退期限である今年十二月三十一日で撤退させることを決定していました。ジュルチャニ首相の発言は、この期限よりも早い時期の撤退完了をめざすと表明したものです。
同首相は「われわれは部隊を帰国させると決めたならば、できるだけ兵士を戦闘に巻き込まず、一刻も早く帰国させるべきだ」と表明。「年内にできるだけ多くの兵士が帰還できるように同盟国と交渉することを国防相に指示した」と語りました。
ハンガリーではイラクからの撤退を求める国民世論が強く、それに押されて、政治が動いた形です。
米国やポーランドなどの「有志連合」関係諸国との調整がつき次第、直ちに撤退が開始されるもようです。