2004年11月22日(月)「しんぶん赤旗」
「『戦争反対』という大事な問題は人まかせにしないで、自分の意見、気持ちを伝えていきたい」(療養施設職員の二十四歳女性)―「九条の会」の地方講演会としては大阪、京都に続き三回目となる「11・21憲法を守る宮城集会」が二十一日、仙台市の仙台国際センターで開かれ、四千五百人を超える人たちがつめかけ、会場は大きくあふれました。同集会「呼びかけ人会議」と「九条の会」の共催で開かれたもので、「九条の会」の井上ひさし、加藤周一、澤地久枝、三木睦子の四氏が講演しました。
メーン会場となった大ホールのほか用意された第二、第三会場も超満員に。司会者から参加者数の報告がなされると、会場のあちこちで「うわー、すごい」という声がわき起こりました。
会場前の公園にも音声モニターケーブルを通じて講演が流され、ここでも二千人以上の人が最後まで熱心に聞き入り、メモを取る人の姿も見られました。
講演した井上氏は「憲法二二条二項が国籍離脱の自由を認めるもとで、私たちは日本をあえて選んでいるのです。憲法によってこの国をつくる、そのために力を合わせてこの日本をもっといい国にしましょう」と訴え。澤地さんは「九条はいま私たちをつなぐ“かすがい”」と強調。「そのかすがいによって結ばれたサークルが日本のすみずみに広がることを望みます」とのべました。
第二次世界大戦で兄をなくした経験を語った三木さんは「自衛隊はイラクへ行くぐらいなら、地震の被災者支援のためにもっと力を出すべきです。戦争の悲惨さを知る私たちが、先達としてできるだけのことをしなければと思い頑張っていますが、たくさんの方々が来てくださり本当にうれしい」と語りました。
加藤氏は、九条と国際貢献の関係を語り、「国際貢献の大部分は、環境、南北格差、公衆衛生など武力と関係がない」と指摘。イラク戦争は非合法で犯罪的なものだと批判し、「国際貢献をするために武力が必要だというのはまったく倒錯した議論だ」とのべました。
保育園で父母と一緒に「憲法9条と25条を守る会」をつくっているという保育士の石垣寿大さん(23)は「私たちも子どもたちを中心に、九条を“かすがい”にして、憲法を守る人の結びつきを広げていきたい」と語っていました。