2004年11月22日(月)「しんぶん赤旗」
長崎県佐世保市で開かれている「二〇〇四年日本平和大会」は二十一日、憲法や米軍基地、安保条約、イラク占領、自衛隊など多彩な課題で、シンポジウムや分科会が行われました。
「どうすれば戦争への道をくいとめられるか―米軍基地、自衛隊、日米安保を考える」のシンポジウムには六十五人が参加。沖縄県統一連の新垣繁信代表幹事、千葉県学習協会の野口宏会長、小泉親司・前参院議員の三氏がパネリストをつとめました。
新垣氏は、宜野湾市街地での米軍ヘリ墜落後の沖縄県民の基地反対の世論の高まりを紹介。基地が県民の生存権を脅かすだけでなく、イラク戦争をはじめ世界への出撃基地となっている実態を報告しました。
野口氏は、「アメリカの目は世界の流れをみていない」と指摘し、米国内における保守勢力の台頭について、米国の歴史を振り返って報告し、批判しました。
小泉氏は、イラク戦争の現状と在日米軍基地の再編計画について報告しました。イラクの自衛隊の派遣継続を許さないたたかいの重要性を強調。空母の母港や海兵隊の基地があるなど、いまでも異常な在日米軍基地が日本の予算でさらに強化され、自衛隊との一体化がすすめられようとしていると告発しました。
フロアーから、長崎空港の軍事利用の実態(長崎・大村市)や自衛隊基地の米軍ヘリ使用反対のとりくみ(鹿児島県)などが発言されました。
分科会は▽憲法九条を守り、アジアと世界の平和に貢献する日本めざして▽イラク戦争・占領と自衛隊派兵を考える―など九つのテーマで開かれました。
第四分科会「いのちをおびやかす米軍基地―再編強化ノー! 基地のない日本めざして」では、国際問題研究家の新原昭治さんが特別報告。フィリピンのハーバート・ドセナさん、韓国のコ・ジソンさん、チョン・マンギュさんが、米軍基地の被害と基地撤去を求めてたたかう住民運動を紹介し、基地撤去の国際連帯の強化を訴えました。
新原氏が米軍基地の永続化、日米安保条約が秘密裏で結ばれたことを当事者の証言などを示して紹介すると、会場から驚きの声があがりました。米軍基地の再編・強化について新原氏は、(1)先制攻撃戦略をしやすくする(2)同盟国の軍隊と一緒に戦争できるようにする(3)効率よく軍事行動ができるようにする―の三点を指摘しました。
マンギュさんは、メヒャンニ射爆場の近隣住民が誤爆と不発弾で死傷するなどの被害を告発し、基地閉鎖にまで追いつめたことを報告。たたかうときに掲げている赤い旗を手に、日本との連帯を呼びかけました。
沖縄の代表は米軍ヘリ墜落現場と、きれいな名護・辺野古海岸の写真を掲げ、「辺野古への新基地建設のボーリング調査を阻止するために、全国から寄せられた募金で買ったカヌーでたたかっています」とのべ、連帯の拍手に包まれました。