日本共産党

2004年11月22日(月)「しんぶん赤旗」

自民の改憲案発表中国メディア批判

名実伴う軍隊の出現/アジアの不信買う


新華ネット

 新華ネット(電子版)は二十日、自民党が十七日に改憲大綱を発表したことを受け、日本駐在記者の論評を掲載しました。

 「自民党改憲に固執 防衛政策転換を下準備」と題された論評では、改憲案のなかで最も注目される点として、「草案が『自衛軍』設立を主張し、その上、集団的自衛権の行使と『国際活動への参加』のなかで武力行使を許していることだ」と述べています。

 論評は、集団的自衛権の行使は、「疑いなく自民党の改憲草案の核心である」と分析。日本国憲法九条の戦争放棄と戦力不保持の規定を紹介したうえで、「もし同草案に基づいて改憲がなされたら、現行憲法の九条のなかで残るのは『戦争発動の権利の放棄』一項のみで、日本に名実伴う軍隊である『自衛軍』を出現させることになる」と指摘しています。

 改憲案が発表されたことは、「日本の防衛政策に大幅な変更が下準備されていることを体現している」とし、「いわゆる集団的自衛権とは、本国が武力攻撃を受けていなくても、他国が攻撃される状況の下、他国とともに海外で武力行使を行うことである」と解説。「日本の純防御から攻守兼備の重大な転換を実現するためには、現行憲法の九条は最大の障害であることから、改憲は二〇〇四年の日本の政界の最も熱いテーマの一つになっている」と述べています。

北京放送

 【北京=小寺松雄】中国国際放送局(北京放送)の電子版はこのほど、自民党が発表した改憲大綱を批判する評論員の論評を発表しました。

 論評は日本の平和憲法について、「日本の経済発展を保障してきた」と評価、自民党大綱について「軍拡を合法化しようとするものだ」と厳しく批判しました。

 さらに、自民党や支配層が「有事法制」、自衛隊海外派兵、首相をはじめとする靖国神社参拝など、「改憲への雰囲気づくりを推し進めてきた」と分析しています。

 論評は「日本は他国を侵略した歴史を認めない国家となっている」と指摘。自民党改憲大綱は「平和憲法を廃棄しようとするもので、アジア諸国と人民の日本への不信を招き、日本の利益を損なうことになる」と結んでいます。



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