日本共産党

2004年11月23日(火)「しんぶん赤旗」

今も救援物資が市街に届かず
病院は米軍に占拠されたまま

ファルージャ総攻撃から2週間

現地ジャーナリストが告発


 【シャルムエルシェイク(エジプト)=小泉大介】イラク多国籍軍を主導する米軍が中部ファルージャに対する総攻撃を開始して二十一日で二週間がたちました。これまで本紙に現地の生々しい状況を証言してきたファルージャ在住のジャーナリスト、ファディル・バドラーニ氏は同日、本紙の電話取材に対し、米軍は街のほぼすべてを制圧したなどと言いながら、今も大規模な攻撃を続けており、市民の犠牲が増え続けていると告発しました。

 同氏は、米軍は現在も主に深夜から早朝にかけ空爆を続けており、市街はほぼ百パーセント破壊されたと指摘しました。家屋だけでなく電気、水道、通信の各施設から病院、道路に至る生活インフラも百パーセント崩壊した状況だといいます。

 住民被害の状況について同氏は、これまでに民間人二千人以上が死亡したと語っていますが、今回、「きのうはサクラウィヤ地区の住民が中心部に救援に来て、路上の遺体、七十六体を回収した。ほぼすべてが女性や子ども、老人とみられるが、米軍はナパーム弾=油脂焼夷(しょうい)弾=のような兵器を使っており、死体は見るも無残な状況だった」と証言しました。

 また、同地区では少なくとも約二百世帯が米軍包囲下で苦しんでいますが、同軍はいまだに医療や食料の救急援助隊の市街立ち入りを認めていません。

 市西端のファルージャ総合病院も米軍に占拠されたまま。バドラーニ氏によると、同病院長は「イラク赤新月社の援助隊に加え医師二十人と救急車二十台が同病院に到着しているが、立ち入りが許可されていない」と語ったといいます。

 米軍による家屋襲撃も依然激しく、バドラーニ氏は「先日、モスクの中で非武装の負傷者が海兵隊員に銃殺される様子がテレビで放映されたが、ファルージャ全域で起こっているのは、それよりもさらに醜いものだ。二日前にも米軍は民家を襲撃し、家族七人を銃撃し殺害した。唯一、殺害を逃れた二十歳の女性も、両足を失った」と憤りました。



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