日本共産党

2004年11月24日(水)「しんぶん赤旗」

人身売買禁止法 どう考える?


 〈問い〉 人身売買で日本に来る女性が絶えないと聞きます。法律がつくられるそうですが、日本共産党はこの問題をどう考えていますか?(東京・一読者)

 〈答え〉 人身取引の被害者に該当する可能性が高いと思われる人は今年2月の1カ月間だけで53人(タイ人34名、フィリピン人16名、韓国人、インドネシア人、コロンビア人各1名)=法務省入国管理局調べ=にのぼります。

 米国務省が今年6月に発表した「人身売買報告書」は、日本を、人身売買を防ぐための法整備や被害者保護が基準を満たしていないとして、3段階評価の分類2とし、今後は分類3に転落する危険がある監視対象国に指定しました。

 日本共産党は、性的に搾取する目的のために女性や子どもを「売買」するやり方を、許しがたい人権侵害として厳しく批判し続けています。

 先の国会で、児童買春・ポルノ禁止法の改正で、児童への性的搾取の対策強化がはかられましたが、人身売買に対する対策はほとんどはかられていません。

 このため、6月には、日本共産党7議員の連名で「人身売買に関する質問主意書」を参議院に提出し、被害者の救済や国際組織犯罪防止条約の人身売買補足議定書の批准など人身売買を根絶するための法整備の必要性を主張しています。

 来年の通常国会に提出予定の人身売買禁止法に対する、私たちの立場は―

 (1)人身売買を取り締まる禁止法の制定や人身売買罪創設については賛成、(2)売買された被害者は犯罪被害者として保護する(現状は「不法滞在、不法就労の犯罪者」として処罰、強制退去させられており、民事法律扶助制度の適用などの支援措置や、婦人相談所の拡充やシェルター整備などの対策が必要)―というものです。

 日本も批准している子どもの権利条約でも子どもの性的搾取は禁止されています。法整備は緊急を要します。(水)

 〔2004・11・24(水)〕



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