2004年11月25日(木)「しんぶん赤旗」
大江健三郎、加藤周一の各氏ら九氏の「九条の会」に賛同する「映画人九条の会」の結成集会が「憲法九条を奪われたら映画はどうなる!?」をテーマに、二十四日、東京・文京区民センターで開かれ、監督や映画各界で働く人、映画愛好者ら百八十人以上が参加しました。会の準備に当たってきた映画演劇労働組合連合会委員長・高橋邦夫さんがこの日までに賛同者が五百十七人にのぼっていることを報告し、「映画人九条の会を結成します」と宣言すると参加者は大きな拍手でこたえました。
戦時下に精妙に作られた国策アニメ「桃太郎海の神兵」の鑑賞に続き、アニメーション映画監督の高畑勲さんが「アニメと戦争」と題して講演。日本人が戦争の開戦時に理性的判断を失った教訓を指摘し、憲法の掲げる理想と米国に従属している現実との相克を考えるなかで多くの知性が目ざめ、憲法九条があったからこそ戦争に巻き込まれずにきた、と改憲の動きをきびしく批判しました。
集会に先立って呼びかけ人の記者会見があり、「戦争は絶対にいやだという思いで参加しています」(日本映画・テレビスクリプター協会理事長の堀北昌子さん)、「世界で一番進んだ九条を見直すのは戦前に戻るとおそれをなして率先して参加した」(日本映画撮影監督協会名誉会長・高村倉太郎さん)など熱を込めた訴えがありました。