2004年12月2日(木)「しんぶん赤旗」
【カイロ=小泉大介】イラクの大学教授や新聞・雑誌編集者、政党活動家ら百六人は十一月二十九日、来年一月末に予定されている国民議会選挙のボイコットを支持し、占領の終結を求める共同声明を発表しました。昨年三月のイラク戦争・占領開始以降、これだけ多数のイラク知識人が連名で反占領の声を上げるのは異例のことです。
四項目からなる声明は、イスラム教スンニ派有力組織、イスラム聖職者協会を中心にした諸組織が、米軍によるファルージャ総攻撃に抗議して選挙ボイコットを表明したことに「完全な支持」を表明。占領体制によって準備された選挙は、イラク人の意思をゆがめるものであり、占領を合法化するものにほかならないと指摘しました。
また声明は、イラク暫定政府にたいし、「もし公正な選挙をおこないたいのであれば、米軍の軍事作戦への協力や占領終結を求める国民への抑圧を中止し、国民の意見表明の完全な自由を保障しなければならない」と要求。「政府は占領軍駐留を求める態度を撤回しなければならない。われわれは米国流の戦闘機と戦車による民主主義を断固拒否する」と表明しました。
声明は最後に、イラク国民に向け、選挙をボイコットするよう呼び掛け、暫定政府にたいする反対の声を広げるため、デモ参加などを通して自らの意見を表明しようと訴えています。