2004年12月9日(木)「しんぶん赤旗」
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イラク派兵延長には、自衛隊を、米軍の先制攻撃戦略に呼応する海外派兵型軍隊へと変ぼうさせる狙いもあります。
「五―十年分の弾を一、二カ月で撃たせた。これ以上撃てないというぐらい、徹底して撃たせた」。第一次イラク派兵部隊を率いた番匠幸一郎一佐(現陸上幕僚監部広報室長)は都内での講演で、派兵前の射撃訓練の激しさを誇りました。
番匠氏は、イラク占領から帰任した米陸軍と海兵隊の兵士を北海道・旭川に招き、検問やデモ鎮圧などの指導を受けたことも明らかにしました。
米軍もイラク派兵を通して、みずからが進める地球規模の軍事態勢再編計画にあわせた自衛隊の「変革」を促進しようと躍起になっています。
二月には米空軍嘉手納基地(沖縄県)でもイラク派兵のために自衛隊を指導。十月には沖縄米海兵隊と陸自の第三師団第三七連隊(大阪)がハワイで都市型戦闘訓練を実施。陸自の調整官は「サマワで活動する自衛隊にとって有意義な訓練」とのべています。
陸自は、検問などの訓練を継続的に行うため、北富士演習場(山梨県)に五月、サマワの模擬宿営地を建設しました。すでに六月に第三次、九月に第四次部隊が攻撃対処訓練を行っています。
陸自は三カ月交代で、北部方面隊から一、二次、東北方面隊から三、四次部隊をイラクに派兵しており、中部方面隊から来年二月に五次部隊、五月に六次部隊を派兵する予定です。八月以降に西部方面隊が七次、八次部隊を派兵すれば、首都防衛を任務とする東部方面隊を除いて北から南まで一巡します。(地図)