2004年12月11日(土)「しんぶん赤旗」
介護保険見直しを論議している社会保障審議会介護保険部会(部会長・貝塚啓明中央大教授)は十日、保険料負担年齢・サービス利用年齢の引き下げが多数意見としつつ、その具体的な実施時期は先送りとする意見書(部会長一任で一部修正)をまとめました。対象年齢の拡大は、障害者福祉(支援費制度)との統合を含めて議論されていました。
意見書では、「介護を必要とする全ての人にサービスの給付を行い、併せて保険料を負担する層を拡大していくこと(普遍化の方向)」をめざすという意見が「多数」だったとのべ、年齢引き下げを容認。一方で若年者から保険料負担の「納得感を得ることが難しい」などの「慎重意見」を併記しています。
今後の年齢拡大のすすめ方として、政府の基本方針(骨太方針2004)にある、二〇〇五年度ないし〇六年度に行う社会保障制度の「一体的見直し」の動向も十分踏まえるとしています。
厚生労働省は、現行四十歳以上の保険料負担年齢を二十歳以上とし、サービス利用年齢を一気に零歳(障害者を含む)まで引き下げて現行の「高齢者中心の介護」を抜本的に転換する年齢拡大案を提案。〇六年度までに結論をだし〇九年度以降の実施をめざす方針です。
審議では、短期間で結論を求める厚生労働省にたいし「議論不足」との声があがり、年齢拡大が「多数」とする意見書にたいしても「本当にそうだったのか」(喜多洋三・守口市長、全国市長会)との異論がでました。