2004年12月11日(土)「しんぶん赤旗」
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「九条の会」のよびかけ人の一人、加藤周一さんが十日夜、京都市左京区の京都大学で「九条と私」と題して講演し、四百人がつめかけました。同大学教職員の間宮陽介、大西広、森眞理子、園田義次の各氏がよびかけ人となり、実行委員会が主催したもの。
講演の中で、加藤氏は「九条を変えれば、軍備競争と緊張の悪循環に陥る。その出口が戦争でなかったことは少ない」と指摘。
逆に「九条があれば何ができるか」と問い、「日本の『軍事的脅威のない孤立』を破ることができる」と強調。「日本が九条を表に立てて“非軍備競争”のイニシアチブをとればその方が英雄的だ。経済力とからめながら、日本に倫理的確信、原則があれば、国際的イニシアチブを取り、孤立から脱出できる」と語りました。
参加者から「ずばり憲法九条『改正』は阻止できますか」と質問され、「とても難しいと思うが、(反対世論が)大勢になれば可能性はある。改憲勢力も絶対的自信がなければ国民投票には訴えられない。全然ダメだとは思わないから『やってみましょう』ということです」とのべ、「若い人の時間の使い方の中に『憲法を守ろう』という時間があってもいいんじゃない」とよびかけました。