2004年12月14日(火)「しんぶん赤旗」
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「私たち市民が国際法で裁こう」―。イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)・東京公判が十二日、十一日に続き都内で開かれ、侵略の罪等で問われている被告の米・ブッシュ大統領や小泉首相に「有罪」の判決主文をいい渡しました。
判事団は日本、韓国、インドネシアの大学教授や弁護士らで構成。被告らに「有罪」が告げられると、会場は参加者約三百五十人の拍手で大きくわきました。この日の判決主文に至るまで、今年一月の東京・公聴会を皮切りに、米・ニューヨークをはじめとする各地で民衆法廷や公聴会を重ねてきました。
判決主文は、自衛隊派遣によるブッシュ大統領の共同正犯として、また海上自衛隊による米国艦船への給油などの協力を幇助(ほうじょ)犯として認め、小泉首相を「侵略の罪」で「有罪」としました。
ブッシュ大統領、英国のブレア首相に対しては「侵略の罪」「戦争犯罪」「人道に対する罪」で「有罪」をいい渡しました。また、今法廷で勧告を公表。(1)あらゆる軍の即時撤退、イラク人への主権回復(2)市民への無差別攻撃の即時中止(3)違法性を認め、犠牲者への謝罪(4)被害者への補償―など八点です。
判決主文を前にして、証言者がイラクの現状を告発しました。アメリカから来日したエリック・ブリッケンスタフ氏は「声を上げる軍人・家族の会」の代表。二〇〇三年十二月、当時二十三歳だった弟をイラクで亡くしました。
亡き弟の軍靴を証人台に置き、「弟の死を知り、悲しみに打ちのめされた」と思いを打ち明け、イラク戦争について「エリートで金持ちの白人が、さらに金持ちになるための戦争だ」と訴えました。
「占領軍は必要ない」と断言するのは、英国在住のハウザン・マーマウド・イラク女性自由協会・英字新聞編集長。アブグレイブ刑務所での米兵によるレイプや虐待を告発。「アメリカはテロ国家だ」と糾弾しました。