2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」
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障害者施策の抜本見直しを検討している厚生労働省は十四日、費用の一定割合を一律に負担する「応益負担」導入による負担増の試算を社会保障審議会障害者部会(部会長・京極高宣日本社会事業大学学長)に示しました。
費用の一割自己負担と食費負担を新たに求める改悪で、在宅の身体障害者が利用するホームヘルプ(訪問介護)の場合で平均月額九百円の自己負担が五千円へ、五・五倍も引き上げるもの。障害者団体代表の委員から「ショックだ」との声があがり、怒りと沈痛な空気につつまれました。
見直しは身体、知的、精神の三障害の「一元化」をめざすもので厚生労働省は「改革のグランドデザイン案」として提案しています。福祉サービスは介護保険との統合を想定し、所得に応じた「応能負担」から「応益負担」への転換を打ち出しています。
改悪後の試算によると、身体障害者のホームヘルプは、現行制度では負担が免除されている低所得者(年収八十万円未満程度)でも、月額八千四百円の負担となります。
知的障害者が通所施設を利用した場合は、食費(二十二日分一万四千三百円)を含めて月三万円近い負担。現行平均の月二百円から一気に万を超える負担増を求めます。
激しい引き上げのため負担上限額(生活保護は免除、所得に応じて月一万五千円、二万四千六百円、四万二百円の三段階で上限)を設定。さらに個別の負担軽減措置、実施時期を遅らせる経過措置をもりこんでいます。
一割負担は年明けの通常国会に提案する障害福祉サービス法案(仮称)にもりこむ予定です。