日本共産党

2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」

障害者医療費軽減3制度

1割自己負担を提案

厚労省


表
写真

応益負担導入反対を訴える障害者=11月、厚労省前

 厚生労働省は十四日、障害者福祉施策の抜本的見直しの一環として、障害にかかわる医療費を軽減するための公費負担医療制度に、一割自己負担を導入する改悪案を、社会保障審議会障害者部会に明らかにしました。

 対象となるのは、精神障害者の通院公費、身体障害者を対象とした「更生医療」、十八歳未満の身体障害児の「育成医療」の三制度です。二〇〇五年十月の実施をめざしています。

 厚労省が打ち出した改悪案は、自己負担額について、一般の医療保険や障害者福祉サービスとの均衡をはかるとして、医療費の一割の「応益負担」を導入。その上で、市町村民税非課税世帯などの低所得者や、人工透析など指定の重度疾病の人には、二千五百円、五千円、一万円の負担上限を設けています。入院した場合、食費は原則自己負担となります。生活保護世帯は負担なしです。(表参照)

 また、一定所得以上は公費負担の対象から除外するとし、所得税額三十万円(年収で約六百七十万円)以上の世帯への給付を打ち切りました。打ち切りにより三割負担が適用され、大幅な自己負担増となります。

 各制度は、それぞれの障害にたいし国の責任で医療費を保障するものです。患者団体、障害者などからは不安と批判の声があがっています。


精神通院公費

 精神障害者の通院治療費のうち自己負担分から医療費の5%を引いた残りを公費負担する制度。適正な医療を受けることで、早期発見、早期治療し効果を高めるためのものです。受給者は、約七十万人(二〇〇二年の一カ月平均)。

 更生医療 十八歳以上の「身体障害者手帳」を持っている人が対象です。障害を軽減したり、進行を防ぐためにおこなう医療給付。医療費のうち公的保険で給付されない自己負担分を公費負担します。世帯の収入によって一部自己負担があります。受給者は約九十八万人(同)です。

 育成医療 身体に障害のある十八歳未満の人と、そのまま放置すれば将来障害を残すと認められる疾患をもつ児童を対象にしています。早い時期に治療することで障害を未然に防ぐための制度。給付内容は更生医療と同じ。受給者は約十四万人(同)。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp