2004年12月15日(水)「しんぶん赤旗」
〈問い〉 地球温暖化防止のための京都議定書が決められてから7年もたつのにCO2削減がすすんでいないようで不安です。実効ある対策について、共産党はどう考えますか?(兵庫・一読者)
〈答え〉 ロシア大統領が京都議定書批准案に署名したことで、来年2月には京都議定書が発効することになります。今こそ、アメリカは京都議定書の国際的取り決めの枠組みに戻るべきです。
日本は地球温暖化防止京都会議の議長国として、法的拘束力のある6%削減目標の達成が厳しく問われます。(03年度の排出実績は90年比で8%増であり、現在では計14%の削減が必要になっている)
削減目標を達成するには、個人や家庭での努力も大事ですが、排出量の8割を占める企業・公共部門での削減がカギです。
02年度の産業部門の排出減は、目標マイナス7%に対してマイナス1・7%にとどまっています。しかもこれは、景気の低迷での生産減によるものです。
電力業界を例にみると、燃料コストの安い石炭火力発電所の増設で、CO2の排出量が90年比で246%もの増加です。
電力7社は「京都メカニズム」(=海外から温室効果ガスの排出枠を得て自国の目標達成に使える仕組み)の活用を見込んで、電力業界の年間総排出量の約6年分に相当する8万3500ヘクタールの植林事業を共同で進めています。国内の石炭火力で排出量をどんどん増やしている分を、海外の植林事業などで減らしたことにするというのでは、真の削減対策とはいえません。
産業界の代表は「削減目標達成は極めて厳しい。京都メカニズムの積極的な活用」といい、経団連の自主行動計画では、社会全体に対する公約なので改めて協定を政府と結ぶ必要はないとしています。
日本共産党は、産業界の「自主的なとりくみ」にまかせず、政府と産業界で協定化すること、企業が社会的責任を自覚し、温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度などで、実効ある制度を導入するよう強く求めています。(佐)
〔2004・12・15(水)〕