2004年12月16日(木)「しんぶん赤旗」
尾辻秀久厚生労働相と村上誠一郎行革担当相は十五日、保険診療と保険外診療を併用するいわゆる「混合診療」の解禁について合意に達しました。政府の規制改革・民間開放推進会議が求めていた全面解禁は見送り、例外的に併用を認めている現行制度を再編・拡充することで一致。小泉純一郎首相もこれを了承しました。
国内未承認の抗がん剤なども使用しやすくするのに加え、必ずしも高度でない技術も併用の対象とします。当面は、現行制度内で二○○五年夏をめどに可能な対策を実施。未承認薬については、○四年度中に必要な措置を講じます。その上で、○六年の通常国会に関連法案の提出を予定している医療保険制度改革の中で、名称変更を含め現行制度を見直します。
未承認薬については、厚労相の下に専門家による検討会議を設置。欧米で新たに承認された薬などを検証し、医師や企業が実施する治験につなげます。会議は年四回以上開催。検証は三カ月以内に結論を出します。また、治験終了後から保険適用までの間も、併用できる制度を設けます。
医療技術に関しても、新たに専門家会議を設置します。技術ごとに一定水準の要件を設定し、要件を満たす医療機関は届け出れば実施できるようにします。厚労省によると、必ずしも高度でない技術と併せ新たに百技術、二千医療機関が併用の対象となります。このほか、保険適用回数が制限されている医療行為に関しても、併用を認めます。制度の再編では、「将来の保険導入を前提とするか、しないか」などの観点から見直しを行う方針です。