2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」
【カイロ支局】イラクのファルージャでは、米軍による破壊と攻撃はいまも続いており、これに対抗する武装勢力の攻撃も激しさを増しています。戦火のファルージャから本紙に貴重な情報を伝えてきたイラク人ジャーナリスト、ファディル・バドラーニ氏は十三日、危険から逃れるために避難したファルージャ郊外から、「米軍は今、一般市民も武装勢力も区別なく攻撃している」と、最近の状況を本紙に知らせてきました。
バドラーニ氏によれば、米軍は十二日からファルージャ東部のアルシナイ区、アラスカリ区、アルショハダ区で新たな空爆を行うとともに、戦車も動員して攻撃を実施。これに対して市民は小型の銃などで対抗しています。
バドラーニ氏は「従来、米軍の爆撃は夜間に行われたが、十二日から昼間も爆撃するようになった」と指摘。市東部では十三日朝、一時間半にわたって戦闘があったと語りました。
ある情報によれば、ファルージャ市内には新たな武装勢力が入り米軍に攻撃を加えています。「モガディン協議会」を名乗る組織は最近、「アメリカ人に対する軍事作戦は続く」とする声明を発表しました。
バドラーニ氏は、現在米軍は、同氏を含むジャーナリストを徹底的に排除または狙い撃ちにして、市内の惨状が外部に伝わらないようにしていると指摘。その結果、最近の市民の被害の状況が分からなくなっているとしながら、「米軍は住宅だろうとモスクだろうとお構いなしに爆撃、砲撃し、市民は住宅から脱出もできずに攻撃にさらされている」と語りました。
さらにバドラーニ氏は、医療や食料、水、電気もないままに、ファルージャ市民は日ごとにつのる厳しい冬の寒気にさらされているといいます。