2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」
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憲法の価値を生かす立場の学者、研究者などでつくる憲法再生フォーラムが十六日、東京都内で「いまイラク情勢と改憲問題を考える」と題して第五回講演会を開きました。同フォーラムの研究成果としてまとめられた新書『改憲は必要か』の発刊記念として開かれたものです。学生など若い人を中心に二百十人が参加しました。
作家の辻井喬氏、憲法研究者で「九条の会」メンバーの奥平康弘氏、国際問題評論家の北沢洋子氏が講演。
辻井氏は「今日存在する紛争で武力によって解決することができるものは非常に少ない。平和憲法が国際貢献の障害になるというのは奇妙だ」とのべました。
奥平氏は「対米協調はミニ帝国主義であり、帝国主義は道徳性に欠けるために滅びる運命にある。滅びるものに追随することがどうして国益なのか」と問いかけ、「その批判の視点を提供するのが憲法九条ではないか」とのべました。
北沢氏は「世界の流れの中心がテロに対する戦争にあるというのは、アメリカだけを見ているために生じる誤解」と指摘し、「イラク戦争に反対し、テロの原因である貧困の根絶に取り組むもう一つの流れがあり、この流れは世界の多数派です」と強調しました。
リレートークで「九条の会」メンバーの加藤周一氏や、憲法学者の樋口陽一氏らが発言しました。