2004年12月17日(金)「しんぶん赤旗」
自民、公明両党は十五日、二〇〇五年度税制「改正」大綱を決定しました。同大綱は、これまで所得の低い高齢者に配慮して設けられていた住民税の非課税措置を〇六年度(〇六年六月)から三年間で、段階的に廃止することを盛り込みました。大綱に盛り込まれた定率減税の半減(〇六年一月)だけでなく、すでに決まっている年金課税強化や配偶者特別控除の廃止による増税があり、高齢者世帯を二重三重に負担増が襲うことになります。 山田英明記者
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現在、六十五歳以上の高齢者の場合、前年の所得が百二十五万円以下であれば、住民税が課税されていません。大綱に盛り込まれたのは、この非課税措置を三年間で段階的に廃止するという方針です。自民、公明両党は、低所得高齢者から容赦もなく税金を取りたてようとしています。
現行の制度では、前年の年金収入が二百六十五万円までは住民税が非課税となっています。
しかし、すでに決まっている公的年金等控除の縮小(百四十万円から百二十万円に)に、今回の非課税措置の廃止を合わせると、単身高齢者の場合、年金収入が百五十五万円を超えれば住民税が課税になります。
夫婦世帯の場合では、二百十二万円を超えれば住民税の均等割が課税に、二百二十五万円を超えれば同所得割も課税されることになります。
その結果、例えば、年金収入が百八十万円(現行では所得税、住民税ともに非課税)の単身者世帯の場合、所得税も住民税も課せられることになります。定率減税の半減を合わせると所得税、住民税の合計額はゼロから約二万三千円になります。
年金収入が二百二十万円(現行では所得税、住民税ともに非課税)の夫婦世帯も同じく課税されることになります。所得税、住民税の合計額は、ゼロから約一万二千円になります。
しかし、負担増はこれだけではありません。
介護保険料は、住民税課税か、非課税かによって左右されます。また、国民健康保険料も公的年金等控除の縮小に伴って増加することになります。
小泉内閣がすでに決めた負担増は、〇五年度も〇六年度も連続的に、庶民を襲います。
自民、公明両党の税制「改正」大綱に盛り込まれた新たな負担増は、そうした連続的な負担増の上に、子育て・働き盛り世帯から高齢者世帯までの幅広い世帯を直撃することになります。
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