日本共産党

2004年12月19日(日)「しんぶん赤旗」

年金事務費

保険料拠出を継続

財務・厚労相合意 一部だけ国庫負担に


 谷垣禎一財務相と尾辻秀久厚生労働相は十八日、二○○五年度予算編成に向けた閣僚折衝で、年金などの保険料で賄われていた社会保険事務費について、公用車購入費や職員用宿舎整備費など一部に限って国庫負担に戻すことで合意しました。また介護保険制度改革で、施設利用者が居住費・食費を自己負担する措置を○五年十月から導入することも決めました。

 年金保険料の徴収や給付の振り込みなどにかかる年金事務費は、本来、国庫負担として一般予算から支出することになっています。ところが政府は「福祉の増進」を口実にグリーンピアなど赤字垂れ流しの“ハコもの”建設に投入。一九九八年度からは「特例措置」として福祉施設にも無関係の社会保険庁長官の交際費まで事務費に含め、保険料をあててきました。

 年金改悪法の国会審議の中で、保険料の無駄遣い、流用との厳しい批判につつまれ、是正に迫られた厚生労働省は全額国庫負担に戻すよう要望。予算編成の焦点の一つとなっていました。

 合意は、財務省が主張していた厳しい財政状況を理由に、コンピューターシステム経費など保険事業運営に直接かかわる経費については、保険料からの拠出を継続するとしています。保険料負担部分は千九十億円前後、国庫負担に戻す部分は百五十億―百六十億円程度となる見通しです。

 年金事務のコンピューターシステムについては日本共産党の小池晃参院議員が、厚労省・社会保険庁出身官僚の天下り先になっているNTT系企業との癒着を追及。企業側に支払う多額のシステム使用料が年金保険料から流れていることを明らかにしています。



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