2004年12月22日(水)「しんぶん赤旗」
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日本共産党憲法改悪反対闘争本部の上田耕一郎本部長と荒堀広副本部長は、長野県各地を訪れ、運動にたずさわる県委員会、地区委員会、支部の党員や関係者から経験を聞きました。同県内では、「憲法九条を守る県民過半数署名をすすめる会」(略称「九条署名をすすめる会」、五月三日結成)が呼びかけた署名と「九条の会」などを地域ごとに結成する運動が進んでいます。懇談は十七日に長野市と岡谷市で、十八日は伊那市と飯田市で行われました。
冒頭、上田氏は、「憲法改悪を許さないたたかいは今大事なところにきています。自民党は改憲大綱原案を発表しましたが、『九条の会』の活動が全国で反響を呼ぶなど、展望も出てきています。この歴史的闘争に勝利するためには、草の根の組織化が重要です。長野県は全国的に早くから取り組み、二十一の地域の会ができて準備中が四十もあると聞きました。その経験をお聞きしたい」とあいさつしました。
長野市で行われた懇談では、はじめに県段階の取り組みを聞きました。次に十七人全員の町議が呼びかけ人になって「九条の会」が結成された信濃町の経験が報告されました。長野県の「九条署名をすすめる会」が発足と同時に県内全市町村長と議長に出した賛同要請に、同町の議長が賛同。議会の全員協議会でも賛同が確認され、全員が呼びかけ人になることになりました。戦争体験者も次々と呼びかけ人になっています。今、会員九百人を目標に運動を進めています。青年の「九条の会」も来月中に結成をめざしています。
長野市内では、行政区ごとに会の結成が進み、五区で会を結成。七区で準備中です。稲田・徳間地区では党支部が毎週の会議で議論し「党ががんばろう」と意思統一。学習会をやりながら署名行動を毎週行い、過半数の目標三千に対し千を突破しました。芹田地区では呼びかけ人になってもらうため一軒一軒訪問。同地域内の十四区のうち十一人の区長・元区長をはじめ呼びかけ人は百人に近づいています。これらの経験で共通しているのは、呼びかけてもらう人を市や町ごとにできるだけ幅広く、しかもたくさんの人になってもらっていること、また、これらの人々が署名活動の先頭に立っていることでした。
岡谷市で行われた懇談では、諏訪市の「戦争はいやだ、平和を守ろう会」について報告がありました。この会は、保守系の元市議らが「平和が危ない。何かやらないといけないがどうしたらいいかわからない」と共産党員に相談に来て、今年三月にできた組織。六百人の会員で学習会を行ったり、長野県の「九条署名をすすめる会」の署名も取り組む方向です。
十八日の伊那市での懇談では「憲法九条を守る県民過半数署名をすすめる辰野の会」(略称「九条の会たつの」)と、伊那市の「九条の会いな」について報告がありました。「九条の会たつの」では、元町長、元教育長、自民党大臣経験者の元後援会長、寺の住職八人など幅広い呼びかけ人を集めています。十二月になって百人を突破しています。「九条の会いな」では、約五十人の若いお母さんや、保守系や社民党の現職議員も「ぜひ一緒にやらせて」と呼びかけ人に。九月の発足集会では参加者全員が九条への思いを発言しました。
飯田市と下伊那の三町十四村では、九月に「憲法九条を守り広める飯伊の会」が三百三十人の呼びかけ人で結成。この発足集会に参加した人が中心になって「わしらのとこでもつくらまいか」と、飯田市の各地区、各町村で「会」ができつつあります。その一つの松川町では、今月七日に四十人の呼びかけ人で発足。この会のお知らせを町の有線放送で六回もおこなうなど町民に広く呼びかけました。
多くの経験を聞いた上田本部長は、「全県的な広がり、百人を超す呼びかけ人など、各地の先進的な経験は大変勉強になりました。どこかの自治体で住民過半数の署名をやりきれば、国民投票が実施されても勝てる保証が生まれるわけで、全国的にもインパクトが大きいと思います。ぜひがんばってください」と励ましました。