2004年12月22日(水)「しんぶん赤旗」
【ベルリン=片岡正明】ハンガリー国防省スポークスマンは二十日、イラクに派兵されていたハンガリー軍部隊の撤退が完了したことを明らかにしました。十一月に議会で派兵延長が否決され、十二月三十一日までに撤退することが決まっていました。
スポークスマンによると、最後の兵士が二十日、イラクの隣国クウェートに移動。部隊はクリスマスまでに帰国します。
ハンガリーはバグダッド近郊に輸送部隊三百人を派兵していました。しかし、イラクの治安が悪化し、最大野党の青年民主連盟が「国民の大多数の意見は派兵反対だ」と撤退を要求。世論に押される形で、議会が十一月に撤退を決定しました。
ジュルチャニ首相は「国民の意向が(米国の意向に沿う)国の信用より重要だ」と述べ、議会の決定に従いました。一方、ハンガリー政府は、北大西洋条約機構(NATO)が要請するイラク軍訓練要員派遣には同意しており、二〇〇五年半ばから非戦闘要員百五十人を派遣する意向です。