日本共産党

2004年12月22日(水)「しんぶん赤旗」

発達障害者支援法とは?


 〈問い〉 発達障害者支援法とはどんな法律ですか? (静岡・一読者)

 〈答え〉 発達障害者支援法は先の臨時国会で議員立法により全会一致で成立しました。(来年4月1日施行)

 発達障害とは、学習障害、注意欠陥多動性障害、広汎(こうはん)性発達障害、その他これに類する脳機能の障害のことです。広汎性発達障害とは、(1)社会性の障害、(2)コミュニケーションの障害、(3)想像力の障害とそれに基づく行動の障害、という三つの特徴をもつ障害です。三つの障害が明らかなときは自閉性障害、言葉の遅れがない場合はアスペルガー症候群、特徴が一部もしくは軽度な場合は特定不能の広汎性発達障害とされています。

 発達障害を有する子ども数は児童人口の5%ないし、それ以上と推定され、発生頻度が高い障害です。

 これまで発達障害者に対する福祉施策は、知的障害を伴う場合にしか対象とならず、知的障害を伴わない場合には福祉施策を受けられない「谷間の障害者」とされていました。同法はこれまで支援の対象とならなかった発達障害者に対する、国・地方自治体の支援の責務をうたい、都道府県ごとに発達支援センターを設置する、乳幼児期や就学時の健康診断での早期発見や早期発達支援をすすめる、専門的な医療機関を確保する―など、公的支援をすすめる第一歩として意義をもつものです。

 日本共産党は障害ごとに法律や福祉施策などが制定されている現状を改め、総合的な障害者福祉法を制定すべきと考えますが、「谷間の障害者」である発達障害者への支援策を進めることは必要という立場から「発達障害の支援を考える議員連盟」に参加。法案作成作業の中では、教育の場において発達障害を有するかどうかにかかわらず、「共に学ぶ」精神を明記すること、警察の関与など必要ない条文をはずすことなどを提案して取り入れさせ、実現のために努力しました。(山)

 〔2004・12・22(水)〕



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp