2004年12月23日(木)「しんぶん赤旗」
【ワシントン=浜谷浩司】イラク開戦以来単独攻撃としては米軍に最大級の犠牲を出したモスルでの爆発物による攻撃は、イラク全土が戦争の真っただ中にあり、米軍基地の中さえも安全でない実態を強烈に示し、ブッシュ政権に衝撃を与えています。
モスルの米軍現地司令官は、「多国籍軍がきわめて否定的な影響を受けた」と声明。ホワイトハウスのマクレラン報道官は「厳しい試練が待ちうけている」と苦しい対応に終始。米テレビ各局は今回の事件を大きく報じ、米兵が逃げ惑うなど現場の混乱ぶりを目撃情報で伝えました。コーエン前国防長官は、今回のような攻撃から米軍を「守るのはほとんど不可能」だと語りました。
イラク戦争に反対する「平和と正義のための連合」のビル・ドブス氏は二十一日、「戦況の悪化を示した」とし、「米軍を撤退させるべきだ」と強調しました。
ブッシュ大統領は同日、クリスマス休暇を前に事件が起きたことを「とりわけ悲しい」と言明。米軍は「平和に不可欠の任務を行っている」と、占領を正当化しました。
米軍基地に対する二十一日の攻撃では、米国人十八人を含む少なくとも二十二人が死亡、七十二人が負傷しました。
イラクの武装勢力「アンサル・アルスンナ軍」が攻撃は自爆によるものとの犯行声明を出しました。