日本共産党

2004年12月26日(日)「しんぶん赤旗」

“完全破壊”に衝撃、怒り

イラク ファルージャに戻った市民


 【カイロ支局】1カ月以上にわたる米軍のファルージャ攻撃作戦から逃れ市外に避難していた市民の一部が、24日に続き25日、ファルージャ市内に戻っています。市民は破壊のあまりのひどさに衝撃を受けるとともに、米軍への怒りを新たにしています。他方、ラムズフェルド米国防長官は24日、モスルなどに続いてファルージャ近くの米軍基地を訪問。「君たちがやっているのは気高い仕事だ」と兵士を激励しながら、市内の実情は見ようともしませんでした。


米国防長官「気高い仕事」と兵士激励

 米軍の許可を受けファルージャに入ったのは、同市西部のアンダルス区の住民。人々が見たのは完全に破壊され、がれきの山と化した街でした。

 二十五日のカタールの衛星テレビ、アルジャジーラは「この破壊の状況を見てくれ。これは正義じゃない。政府の連中にこれを見ろと言いたい」との四十五歳の市民の言葉を伝えています。

 二十四日のロイター通信によると、学校教師のアリ・モハムドさん(35)は「ファルージャは破壊された。私の家は影も形もない」と憤激。ヤセル・サッタルさんは「今世紀最悪の犯罪だ。彼らはイスラムを破壊しようとしているんだ。われわれの怒りと抵抗はいっそう大きくなるだろう」と語りました。

 イラク暫定政府は、市民の損害に対して一定の補償をするといいます。しかし、そんなことで市民の怒りは収まらないというサッタルさんは「これが、彼らがファルージャにもたらした自由と民主主義だというのか」と怒りをぶちまけました。

 他方、英国放送協会(BBC)は、市民に同行したファルージャ総合病院のサレ・フセイン院長代行の言葉を伝えています。「市内の60%から70%は完全に破壊された。残る30%も被害を受けない家は一軒もない」「仲間の一人の家は破壊され、焼き払われていた。隣家には親類の遺体が置き去りにされて横たわっていた」

 水道、電気、下水の施設は破壊されたまま。医薬品もごくわずかです。

 破壊を進める兵士を励まし、市民の様子に目を向けようともしない米軍最高指導者、ラムズフェルド長官の姿勢はファルージャ市民の怒りを拡大させています。



もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp