2005年1月4日(火)「しんぶん赤旗」 郵政民営化 政府・自公の調整本格化へ“利権”で郵政族取り込み狙う増税からめ首相署名文書配布郵政民営化に対する自民党の「改革案」がまとまったことを受け、政府は年明けから、民営化関連法案の策定に向けた自民、公明両党との調整を本格化させます。今月十九日には細田博之官房長官、竹中平蔵郵政民営化担当相、自民、公明両党の幹事長、政調会長らが参加する政府・与党協議会をスタートさせ、三月上旬をめどに民営化関連法案を通常国会に提出する方針です。 首相の出方に対応自民党が十二月にまとめた「改革案」は、党内対立を回避するため民営化方針の是非の判断を先送りし、郵便事業、郵便貯金、簡易保険の郵政三事業のユニバーサル(全国一律)サービス維持の義務付けを明記。今後は「政府の対応ぶりを見きわめつつ、改めて党としての最終的な判断を行う」としています。郵政民営化を「改革の本丸」と位置付ける小泉純一郎首相の出方に対応しようというものです。 昨年九月に閣議決定した基本方針は、現行の郵政三事業を「窓口ネットワーク」「郵便事業」「郵便貯金」「簡易保険」の四事業別に分社化する内容。自民党執行部としては、党内で根強い反対論を民営化でまとめる立場を暗に首相側に示しながら、郵政族の利権も反映した基本方針の「修正」に持ち込もうという算段です。「改革案」では民営化という経営形態に踏み込まず、三事業という機能面に絞ったのもそのためです。 小泉首相に民営化反対を申し入れてきた自民党郵政事業懇談会(会長・綿貫民輔前衆院議長)からは「首相が党の了承抜きで基本方針を決定したのはおかしい。これが問題だ」(旧橋本派議員)との声も聞かれます。 国会議員への文書一方、小泉首相は民営化関連法案の策定が近づいたことを受け「郵政民営化の基本方針 だから、いま民営化」と題する署名入りの文書を作成し、党所属国会議員に配布。「(民営化されて)政府が保有する株式が売却されれば、これも国庫を潤し財政再建にも貢献する。将来増税の必要が生じても、増税の幅は小さなものになるだろう」と、消費税増税論議とからめて郵政民営化を打ち出しています。 |