2005年1月13日(木)「しんぶん赤旗」

イラク首相

“選挙できない地域も”

治安悪化で初めて認める


 【カイロ=小泉大介】イラクで今月三十日予定される暫定国民議会選挙を前に治安情勢が悪化の一途をたどるなか、同暫定政府のアラウィ首相は十一日、記者会見で「選挙に参加できないいくつかの地域がでてくるであろうことは疑いない。われわれはそれがさらに広がるとは思わない」と述べ、なお楽観的な見通しを示しつつも、選挙参加が不可能な地域があることを初めて認めました。

 同様の認識は現地の米軍からもでており、米軍中将でイラク多国籍軍の作戦責任者でもあるメッツ司令官は六日、イラク十八州のうち、中部ファルージャを含むアンバル州やバグダッドなど計四州で、治安がいまだに改善されていないとの認識を示しています。

 アラウィ首相とブッシュ米政権はあくまで予定通り選挙を実施する構えですが、これらの発言は、選挙の正当性にたいする疑問の声をいっそう広げています。報道によれば、ヨルダンのカワル駐米大使は十一日、現状では四割以上のイラク国民が選挙に参加できないだろうとし、「これは選挙の信頼性への疑問を高めるものだ」と指摘しました。



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