2005年1月20日(木)「しんぶん赤旗」 ライス次期米国務長官指名公聴会イラク戦 なぜ誤り認めない野党議員が厳しく批判【ワシントン=山崎伸治】米次期国務長官に指名されているコンドリーザ・ライス大統領補佐官の指名承認公聴会が十八日、上院外交委員会で開かれ、イラクの大量破壊兵器の「脅威」がうそだったにもかかわらず、戦争の誤りを認めようとしないライス氏に厳しい批判が出されました。公聴会は休憩をはさんで計九時間半におよびました。 この問題を追及したのは、二〇〇二年十月の対イラク武力行使容認決議に反対した民主党のバーバラ・ボクサー議員。ブッシュ大統領が開戦前、「一年以内に(大量破壊兵器を)保有」と言明し戦争を強行したにもかかわらず、開戦後にライス氏が「だれもそんなことは言っていない」とごまかしたとして、「あなたは誤りを認めようとしない」と迫りました。 そして、大量破壊兵器がないとわかるとイラクに「自由を拡大する」として戦争の目的を変えたと批判しました。 ライス氏は「サダム・フセインは過去に(大量破壊兵器を)保有しようとし、製造しようとした。使用したこともある。そういう状況で(保有を)疑うのは当然だ」と強弁。さらに、「フセインはこの地域の戦略にかかわる脅威だった」と開き直り、「私が誠実であろうとするのに疑いをさしはさむのは控えてほしい」とのべるなど、はげしいやりとりとなりました。 ライス氏は「米国の外交を駆使し、世界で自由を与えるような力の均衡をつくりだすために寄与しなければならない」として、「いまこそ外交のときだ」と強調しました。これには、民主党のバイデン議員が「わが国の強大な軍事力にもかかわらず、われわれは世界でよりいっそう孤立を深めている。私の考えでは、外交はずっと前から課題だった」と反論しました。 民主党の大統領候補だったケリー議員もイラクの暫定国民議会選挙が内戦を招きかねないのではないかとして、ブッシュ政権の対イラク政策を批判しました。 |