2005年1月22日(土)「しんぶん赤旗」
日本共産党国会議員団総会での
志位委員長のあいさつ
(大要)
二十一日の日本共産党国会議員団総会で、志位和夫委員長がおこなったあいさつ(大要)は次のとおりです。
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議員団総会であいさつする志位和夫委員長=21日、国会内 |
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みなさん、ご苦労さまです。国会の開会にあたってごあいさつを申し上げます。
わが党が、今年をどう位置づけ、どんな課題を、どうたたかうかについては、すでに新春の「党旗びらき」で話をいたしました。
今日は私は、そのことを前提において、この国会に党議員団としてどういう姿勢、どういう構えでのぞむかについて、四つの角度から端的にのべておきたいと思います。
増税・改憲の「二大反動政治」との本格的たたかいの舞台に
まず第一に強調したいのは、この国会が、「二大政党」が競い合ってすすめている増税と改憲という二大反動政治を具体化する動きとの本格的なたたかいの舞台となる、ということについてであります。
今年は、全国的な国政選挙がない可能性の高い年になるといわれています。それだけに、相手方は、この機にとばかり、この国会を、“大増税へのレール”を敷く、そして“改憲へのレール”を敷く、そういう国会として位置づけて、そのための予算案と法案を強行する構えを強めています。
“大増税へのレール”という点では、二〇〇五年度と〇六年度の二年間で七兆円もの巨額の負担増を押しつける計画、それにつづく二〇〇七年度からの消費税増税の計画、この二段階の増税路線の第一歩を踏み出す予算案が提起されています。
“改憲へのレール”という点で言いますと、自衛隊の本来任務に「海外活動」を加える自衛隊法の大改悪、憲法改定のための国民投票の手続きを定める法案など、改憲への地ならしの一連の法案が、この国会に提出されようとしていることも重大であります。
増税と改憲のくわだてを打ち破るうえで、わが党の果たすべき役割はきわめて大きなものがあります。このことをしっかり腹に据え、相手側の動きを直視し、広い国民運動と手を携えて、これを正面から迎えうつ。その決意をまず固めあいたいと思います。(拍手)
新しい綱領を深くつかみ、党の綱領的な値打ちをうきぼりにする論戦を
第二に、国会議員団が、新しい綱領を深く身につけ、どんな問題でも、党の綱領的な値打ちを浮き彫りにする論戦の努力をはかりたい、このことをのべたいのです。
たとえば、さきほど二段階の増税路線の問題をいいました。相手はこの増税路線を押しつけるときに、「財政再建のため」だといってくるわけですが、そういいながら、「二つの聖域」には手をつけないという姿勢です。一つは、巨大空港とか巨大港湾などの大型開発のムダづかいには、手をつけないどころか、来年度予算案では増額の方向です。もう一つは、この数年間ずっと続けてきた大企業に対する特別の大減税については、手をつけない。あれだけもうけをあげている大企業に対する減税は続ける。この「二つの聖域」には手をつけない。ですから七兆円の負担増の計画というのは、実は大企業中心主義のゆがんだ政治のいちばん悪いあらわれだといわなければなりません。
わが党がいま、この増税路線に対して真っ向から反対して庶民の暮らしを守ろうという旗をたてることができるのは、大企業中心主義の政治のゆがみを大もとからただす綱領的立場を持っている。そこに土台があるわけです。
これは一例ですが、どんな問題でも、国民の熱い関心、要求から出発しながら、綱領的な立場で問題をとらえ、綱領のしめす改革の方針にそくして大きな打開策を明らかにしていく。そういうスケールの大きな論戦を心がけたいと思います。
国民的視野、世界的視野でとらえ、大局的展望をもって奮闘を
第三に私は、国会で生起するどんな問題をとらえるさいにも、国会の中だけの視野ではなくて、国民的な視野、さらには国際的な視野でとらえて、大局的な展望をもって奮闘しようではないかということを強調したいと思います。
日々の国会対応に追われますと、ついついそこに目がいかなくなってしまって、なかなかこれは厳しいな、展望が出てこないな、ということにも陥りがちですが、わが国会議員団が視野を狭く局限してしまったら、国民に大きな展望を示す論戦はできません。つねに大きな視野に立ってものをつかむということが、われわれ議員団にとってとりわけ大切であると思います。
たとえば九条改憲の動きとのたたかいでも、国会での勢力だけを見ましたら、憲法擁護派というのは少数です。しかし、国民的に見ましたら、あの「九条の会」に見られるように、平和への熱い思いがあふれるように広がり、それが奔流になって改憲派を徐々に追いつめつつある。そういう流れがくっきり出てきております。さらに世界とアジアに目を広げてみたら、「戦争のない世界」を目指す人類史上空前の流れがわき起こっています。
そういう大きな流れにてらしてみますと、目の前で展開されている改憲の動きが、いかに未来のない逆流かというのは歴然としてきます。
いま問われているどんな熱い問題にたいしても、それを大きな視野からとらえ、立ちむかうことが、激動の情勢のもとではとりわけ大事だということを強調したいと思います。
「党の実力をつける」――この全党的とりくみに積極的に貢献しよう
最後に第四の問題ですが、全党的なとりくみでいいますと、今年の最大の課題は、「党旗びらき」のあいさつでものべたように、「党の実力をつけることに集中して力をそそぐ」、ここにあります。その立場にたって、全国のみなさんの奮闘が展開されているわけです。ですから、われわれ党議員団の活動も、この全党的なとりくみにいかに積極的に貢献するかという観点から、たえず改善・強化をはかることが大切であります。
この問題を考えるさいに、国民が何をもって党を評価するかといいますと、中央委員会の直接の責任に属するものは、大きくいって二つなのです。一つは、国会議員団の活動そのものです。もう一つは、「しんぶん赤旗」の内容です。この二つの分野については、中央委員会として、全党に対して直接の重い責任を負っているものです。
国会議員団の活動という点では、二中総(第二回中央委員会総会)の決定で、「二大政党制づくり」の動きとのかかわりでのわが党の議席のもつ「六つの値打ち」(別項)、これを明らかにすることが重要だということをわれわれは確認しておりますけれども、これを全面的に発揮する活動を展開し、国民のみなさんが日本共産党の国会議員団の活動をみて、「こういう議員団だったらもっと大きく、もっと大きな力をあたえる必要がある」ということを思っていただけるような奮闘を、この百五十日間の国会でやりきりたいと思います。
北九州の市議選挙が、今日告示されましたし、東京都議会議員選挙、一連の中間選挙もあります。そういう中間選挙で一つひとつ勝利しながら、強く大きな党づくりのための全党的なとりくみに貢献する国会活動を展開したい、この決意を最後にみんなで固めあいたいと思います。
みなさんが、健康で、元気いっぱいで、そしてのびのびと百五十日間をたたかいぬくことを強く期待して、ごあいさつとします。ともにがんばりましょう。(拍手)
日本共産党の議席が持つ「六つの値打ち」 (1)自公政治の実態を国民の立場で明らかにする議席(2)「二大政党」が共同して進める悪政に反対する議席(3)国民のための改良の実現をはじめ、国民の要求を国政に反映させる議席(4)議会制民主主義を守る議席(5)世界の諸国民と日本国民の平和の願いをつなぐ議席(6)この議席を増やしてこそ、民主的政権の道が開ける
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