2005年1月26日(水)「しんぶん赤旗」

国民への大負担増に警鐘

景気に重大な影響

所得減少にも拍車

穀田国対委員長代表質問


 「これまでとは質の違う、巨額の庶民負担増・大増税へのレールを国民に押し付けようとしている」――二十五日の衆院本会議。日本共産党の穀田恵二国対委員長は代表質問で、所得税・住民税の定率減税の半減・廃止や消費税率の引き上げなど国民負担増と大増税路線を厳しく批判、これが実行されれば、景気に重大な影響を及ぼし、国民の所得減少にも拍車をかけることになると警鐘をならしました。

グラフ

 実際、国民の収入は減少が続いています。

 決まって支給される現金給与額は、二〇〇四年七月で全国平均十九万二千五百八十八円(四人以下の企業)、前年比0・5%減(厚生労働省「毎月勤労統計調査」)。総務省の家計調査報告では、勤労者世帯の二〇〇三年の実収入(指数)は二〇〇〇年を一〇〇として、4・3ポイントも下回り、消費支出も2・1ポイントの減。フトコロが温まらず消費も伸びないのが実態です(グラフ参照)。

政府指標でも「減速傾向」

 景気の局面も、「上り坂の調整局面」(竹中平蔵経済財政担当相)との強気の見方で乗り切ろうとしたものの、「減速傾向にある」というのが、政府発表の経済指標でも裏付けられています。

 こうした時に〇五年、〇六年の二年間で合計七兆円もの負担増を押し付ける小泉内閣。穀田氏は一九九七年の九兆円の負担増で大不況を招いた「橋本内閣の大失政の二の舞いになるのは明らか」とただしました。

 ところが小泉首相は、定率減税縮小・廃止について「景気にたいする影響は大きなものではないと認識している」とのべ、その大負担増税路線がいかに大きなものなのか、その全体像について真剣な検討をしていないことを浮き彫りにしました。

大企業優遇の税制すすめる

 そればかりではありません。小泉内閣が提出した来年度予算は、関西空港二期工事など巨大開発の浪費はいっこうに改めず、そのムダづかいのツケを庶民に回すもの。定率減税が導入された九九年に、これとセットでおこなわれた大企業の法人税減税や高額所得者減税にも手をつけず、結局、財源を求めるにあたって、大企業、金持ち優遇を温存するものになっています。

 小泉首相はこれについて、大企業・金持ち優遇の税制は「わが国経済社会の構造改革に対応する抜本税制改革の一部先取りとして実施したもの」と答弁しました。首相は今後の税制改革を、“弱肉強食”論理で、いっそう大企業優遇、庶民増税ですすめる考えをのべたのです。

 「憲法で保障された最低限の生活さえ脅かすのが小泉さんの改革なのですか」――生活苦の人たちを支えようと地域で活動している広島県廿日市市の玉田豊さん(62)=生活と健康を守る会=は、小泉政権の負担増路線にこう異論をのべます。

 小泉内閣のすすめる大増税・負担増路線に、どうしてもストップをかけなければなりません。矢守一英記者



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