2005年2月2日(水)「しんぶん赤旗」

北朝鮮の脅威 安保条約が必要、の考えは?


 〈問い〉 安保条約を廃棄することが日本と世界の平和を作るカギだという日本共産党の主張は理解できるのですが、国民の多数は北朝鮮の武力行使、核開発をおそれ、安保条約がなければ強い主張ができないと危ぐしています。アメリカの軍事力だけが頼みであり、安保は必要だと思っています。これをどう考えればいいでしょうか? (東京・一読者)

 〈答え〉 北朝鮮は、ラングーン爆発テロ事件(1983年)、大韓航空機爆破事件(1987年)など、無法な行為を過去、実際におこなってきました。現在も、核兵器の保有を公言し、拉致問題の解決にも真剣ではありません。多くの方々が不安に思うのは当然です。

 北朝鮮の核開発は、アメリカが韓国、日本に強大な軍事力を配置しているなかで、すすめられてきました。アメリカの核兵器で脅されているから、それと対抗できる核兵器が自国を守るために必要だというのが、北朝鮮の論理です。安保条約の存在が北朝鮮に核開発の口実を与えてきたのです。

 この核開発をやめさせるうえでは、北朝鮮の安全は核兵器ではなく、周辺諸国と友好関係を築くことで保障されるということを主張し、受け入れさせなければなりません。

 ところが、日本政府は、日本の平和は安保条約にもとづくアメリカの核兵器で保たれているという立場、核兵器が必要だという点では北朝鮮と似通った立場にたっているため、北朝鮮の主張を道理を持って、強く批判することができません。

 この点でも、北朝鮮の核問題を解決するうえで、安保条約が障害となっているのです。

 そして、問題の解決のために実際におこなわれていることは、六カ国(米、中、ロ、日、韓、朝)による協議、対話です。安保条約の発動や、アメリカによる軍事力の行使ではありません。協議が進展し、解決の道筋が見えてくるにつれて、日本と北東アジアの平和に必要なことは、安保条約ではなく、紛争問題を平和的に解決するための条約、機構であることが、日本国民の認識になってくると確信します。 (松)

 〔2005・2・2(水)〕



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