2005年2月13日(日)「しんぶん赤旗」 温暖化防止 待ったなし環境市民団体がシンポ開く地球温暖化による影響と防止対策を考えるシンポジウムが十二日、東京都内で開かれました。今後十―二十年間に京都議定書で定めた二酸化炭素などの削減目標を大きく上回る対策が必要だと警鐘を鳴らしました。 シンポジウムは、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA)が開きました。十六日に先進国の削減目標(一九九〇年の排出量を二〇一二年までに6%減)を定めた京都議定書が発効されることから、日本の温暖化対策を検証しようと企画。 CASAスタッフの福村由起さんは、ヒマラヤの氷河が今世紀半ばには消失するという研究結果や北極の夏の海氷が百年後には約六割もなくなるなどの予測を紹介。「二酸化炭素がこの二年間に急上昇している。今世紀中に地球の平均気温の上昇を二度未満に抑えないと、回復不能な環境破壊をまねく」と訴えました。 日本の温暖化対策を報告した上園昌武・島根大学助教授は、抜本的な対策をとらなかったため九〇年より8%排出量を増やし、現状のままでは6%削減の達成は不可能と分析。エネルギー政策や経済のあり方の抜本的転換を提起しました。 早川光俊・CASA専務理事は「法的拘束力ある京都議定書の発効は大きな一歩。不十分でも議定書の目標を達成することは大事だ」と指摘。批准国が国連加盟国の四分の三近い百三十九カ国・地域で、アメリカが離脱しても「世界の多数派である」と強調しました。 また、同理事は、政府が京都議定書の目標達成の意思に欠け、現在の国際的な温暖化防止対策をほごにして、よりゆるやかな枠組みを提案していることを批判。二〇一〇年以降の削減目標は、京都議定書を大幅に上回る必要があり、総量削減・法的拘束力・順守制度などの枠組みを引き継ぐべきだと訴えました。 |