2005年2月17日(木)「しんぶん赤旗」 CO2削減 行動おこそう京都議定書 発効祝い各地で集い先進国に二酸化炭素などの温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書が十六日、発効しました。この日は、東京都内や京都市内で発効にあわせて、排出削減へのとりくみ強化を呼びかけるシンポジウム、集いなどが多彩にとりくまれました。 すでに気候の危機今後も高温、台風多発市民らシンポ東京都内では、行政・企業・市民団体の関係者や研究者らが、「気候の危機がはじまっている」として「フォーラム 気候の危機」(代表世話人、大木浩元環境相ら)を発足させ、記念シンポジウムを開きました。 産業活動での温暖化ガス排出削減とともに、全体の13%を占める市民の生活分野で、消費者も削減へ行動をおこそうとよびかけました。 気象キャスターネットワークの村山貢司さんは、昨年の異常高温と台風多発について、これからもおこりうる気象現象だと報告。ミカンやリンゴの産地が二〇六〇年に激変する予測を紹介しながら、「気候の危機は百年後のことではなく、もう始まっている」と、削減のための行動の緊急性を訴えました。 日本有機農業研究会の魚住道郎理事が「ここ十年、気象の変化にほんろうされている」と訴え、高温や水不足のほかにガによる被害などがいままでにない状況になっていることを実感していると報告しました。 龍谷大学の増田啓子教授は、近年、サクラの開花日が早まっていることなどを紹介し、「季節感がおかしくなっている」と警鐘をならしました。 宗教者550人パレード平和・環境保全を願う
京都議定書の発効を祝って、近畿二府四県の宗教団体でつくる近畿宗教連盟(佐伯幸雄理事長)は十六日、京都市中京区のカトリック河原町教会で「地球温暖化防止・平和 宗教者の集い」を開き、宗教宗派の違いを超えた五百人が会場をうめました。集会後、五百五十人が行進しました。 京都府宗教連盟は八年前、京都議定書が採択された「COP3」の成功を祈るために集いを開いており、今回はその発効を祝い、近畿規模に広げて集いが開かれました。 近畿宗教連盟は、大本、教派神道連合会、キリスト教連合会(協議会)、黒住教、金光教、神社庁、神社本教、新宗連京都府協議会、天常教、天理教、単立宗教法人連合会、仏教会(連合会)で構成。 聖護院修験者による法螺貝(ほらがい)の吹鳴で始まった集いで、佐伯理事長・同実行委員長は、「京都議定書発効を祝い、今なおこの議定書に加わらない諸国のあることを認識しながら、さらなる祈りを増し加えていきたいと決意を新たにしている。私たちの祈りが世界平和を築く礎となるよう願う」とあいさつ。 また集いの名で出された「声明書」では、「(京都議定書の)精神の順守と、具体的取組こそ地球新生へ、唯一の道筋」とし、「もはや議論の時ではない、ましてや戦争の時ではない」と強調。草の根の取り組みの実践を表明しています。 買い物袋 持ち歩こう青年が国会内外でイベント
環境問題にとりくむ学生・青年NGOなどがよびかけた「国会ミーティング」が、東京・参院議員会館で開かれ、「エコ・リーグ」の若者たちが「発効をスタートに何をすべきか」と決意を語りあいました。約百人が参加。各党の代表があいさつし、日本共産党の吉井英勝衆院議員が発言、激励しました。 米国、ドイツ、スウェーデンなどの国際ゲストが「発効はひとつの通過点。次には65―80%の削減が必要になる」「在日米軍基地がなくなれば、もっと削減できる」などと発言しました。 吉井議員は、日本のとりくみとして、八割を占める産業・公共分野で、かつての公害対策のように総量規制の目標、事業所の個別目標をつくること、社会のシステムを低エネルギー・省資源に転換すること、次のより大きな削減目標づくりの三つの柱を強調しました。 ◇ 国会前では環境団体「エコ・リーグ(全国青年環境連盟)」の青年たちが京都議定書の発効で記念イベントを行いました。超党派の国会議員が参加し、日本共産党からは穀田恵二衆院議員が参加しました。 同団体の青年たちは、今月七日に東京に向けて自転車で京都を出発。十日間かけて東京に到着。途中、全国各地から合わせて三十人の青年が参加し、「一人ひとりが環境改善の意識を高め、地球温暖化を防止しよう」とアピールしながら、自転車で走りました。 実行委員長の関口智久さん(19)=千葉大学=は、買い物袋を持ち歩き、スーパーのビニール袋をなるべく使わないようにするなど、「みんながそれぞれの日常で、身近にできることから環境対策に取り組み、地球温暖化防止への意識や関心を高めてもらえるようにしたい」と話していました。 |