2005年2月23日(水)「しんぶん赤旗」

介護保険 現場から

軽度者のサービス制限

「在宅生活に懸念」95%

ケアマネ 病状悪化など指摘

民医連調査


グラフ

 お年寄りの介護プランを作っているケアマネジャーの95%が、介護保険改悪で軽度者の介護サービスが制限されると、生活の質の低下や、病状の悪化、在宅生活の維持困難など在宅での生活に何らかの「懸念あり」と回答―。こんな結果が全日本民主医療機関連合会の調査で明らかになりました。

 要支援、要介護1のお年寄りの七―八割を新設の「新予防給付」に移し、訪問介護などのサービスを制限する介護保険改悪法案に関連し行ったものです。

 要支援、要介護1の利用者六千六十三の事例について、ケアマネジャーが回答しました。

 69・7%が訪問介護など訪問系サービスを利用。そのうち八割以上が、改悪法案で新設する「新予防給付」では、利用や内容が大幅に制限されることになる生活援助(家事援助)の訪問介護を利用していました。

 援助の内容では「掃除」が一番多く57・6%。次いで「精神的支え、生きがい」も42・5%を占めました。病状や服薬の管理、外出支援、転倒防止、介護者の負担軽減など多岐にわたり、身体介護も含めた訪問介護などによる多様な援助が、自宅での生活を支えていることが分かります。

 介護サービスが制限されると懸念される内容として、62・1%が「生活の質の低下」をあげ、41・3%が「病状の悪化」を指摘。40・4%が「介護者の負担増」を懸念、「在宅生活の維持が困難」は33・3%に達しています。

 利用者の家族構成では40・2%が一人暮らしで、22%が高齢者のみの世帯。40・4%には介護者がいません。回答者(三千六百四十一人)のうち58・8%が本人を含め世帯全体が住民税非課税の低所得です。



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