2005年3月2日(水)「しんぶん赤旗」
漁民“海壊す行為だ”
沖縄・辺野古沖 掘削訴訟で原告陳述
口頭弁論
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米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる名護市辺野古沖への最新鋭基地建設に向けたボーリング(掘削)調査に反対する住民や近隣海域の漁業者ら六十八人が、国を相手に同調査の差し止めを求めた訴訟の第一回口頭弁論が一日、那覇地裁(窪木稔裁判長)で開かれました。国内で新基地建設の是非を問う訴訟は初めてです。
この日の弁論では、原告のうち三人が意見陳述しました。
原告団長で元名護市長の渡具地裕徳さん(75)は、「世論は常に反対が上回っている。豊穣(ほうじょう)の海に人殺しの基地はなじまない」と強調。国頭村に住む漁業者山城善勝さん(60)は、「海を壊す行為は、漁民として断じて許せない」と力を込めました。基地の県内移設を許さない県民会議共同代表の山内徳信さん(70)は、「沖縄には日本全国の米軍専用施設の75%という超過重負担が押し付けられている。この理不尽さをどう思うのか」と裁判官に訴えかけました。
原告弁護団三人が訴状要旨を陳述し、ボーリング調査の違法性について、(1)憲法で保障された人格権や環境権、平和的生存権の侵害(2)漁業権の侵害(3)エコツーリズムを営む原告らの職業選択の自由の侵害―と主張しました。
これに対し、国側は答弁書で、「原告らの主張する権利内容が極めて不明確であり、権利性が認められない」などとのべ、原告の請求を棄却するよう求めました。
第二回口頭弁論は四月二十六日。漁民十二人を含む十七人の二次提訴は、次回から併合して審理される見込みです。