2005年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

無年金障害者「不支給」取消し命令

広島地裁 「国の制度は違憲」


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「勝訴判決」の一報に拍手し喜ぶ支援者ら=3日、広島地裁

 学生の国民年金が任意加入だった時代に、未加入のまま重度の障害を負い、障害基礎年金の支給を国に拒否された男性二人が、不支給決定の取り消しと損害賠償を求めた訴訟の判決が三日、広島地裁でありました。

 橋本良成裁判長は「合理的理由のない差別として憲法一四条一項に違反する」として、不支給決定の取り消しと一人二百万円の損害賠償の支払いを国に命じました。

 全国九カ所の地裁・高裁で二十九人がたたかっている学生無年金訴訟では、昨年の東京、新潟両地裁での違憲判決に続く三度目の違憲判決であり、不支給処分の取り消しまで国に求めたのは初めて。判決では、一九八五年の法改正時に学生無年金障害者の受給資格を否定する規定を存続させたのは「国家賠償法上でも違法」とし、「違憲無効な規定に基づいてなされた行政処分であるから、取り消すべき」と明確に判断しました。

 訴えていたのは広島市南区の鳥羽秀範さん(38)と東広島市の男性(35)。

 訴えによると、鳥羽さんは大学生で二十一歳だった一九八八年、バイク事故で脳挫傷の重症を負い、障害が残りました。東広島市の男性は、幼少のころから心臓に異常があり、大学生で二十歳だった九〇年、一時心停止して四肢まひなどの障害を負いました。

 学生無年金障害者広島訴訟原告団と同弁護団は、「国と社会保険庁は控訴することなく、直ちにこの判決に全面的に従い、必要な立法措置を講ずるなど、学生無年金問題の全面的な解決を行うべきである」との声明を発表しました。


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