2005年3月8日(火)「しんぶん赤旗」
伊記者銃撃
「故意の殺人」で捜査
ローマ地検 米兵を尋問の意向
イラク・バグダッドで武装勢力に拉致されたイタリア人記者ジュリアナ・ズグレナさん(56)らが解放後、米軍に銃撃され、情報機関員ニコラ・カリパリさん(50)が死亡した事件で、イタリアでは米軍への怒りが噴出しています。ローマ地検は銃撃を「故意の殺人」とみなして七日までに捜査を開始しました。同地検は、銃撃した米兵を尋問する意向といいます。
ベルルスコーニ政権の右派与党、国民同盟のストラーチェ氏(ローマのあるラツィオ州知事)は、「政府は殺人犯に確実に裁きが下るようにしなければならない」と述べ、真相究明と公正な裁判を要求しました。
与党、北部同盟のカルデローリ氏は、「(一九九八年に米軍機のロープウエーのケーブル切断でスキー客二十人が死亡した)チェルミスの時よりも真剣な調査が必要だ」と述べました。
中道左派連合の指導者のプローディ前欧州委員長は、「ズグレナさんの解放を求めて団結した五千七百万人のイタリア国民は真相を知る権利がある」と強調しました。
共産主義再建党や緑の党は、イラクに兵士約三千人を派遣した政府の責任を追及するとともに撤退を求めています。