2005年3月10日(木)「しんぶん赤旗」
憲法調査会から
二院制小委
調査会の目的逸脱
報告書採決 吉川参院議員が反対討論
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参院憲法調査会は九日、二院制と参議院の在り方に関する小委員会(舛添要一委員長)の報告と自由討議を行いました。
調査会に先立ち小委員会が開かれ、報告にたいし日本共産党の吉川春子議員が反対討論を行いました。
吉川氏は、報告書が論点ごとに「一致した」「共通認識が得られた」と結論づけていることは、「憲法について広範かつ総合的に調査を行う」ことを目的に設置された憲法調査会の目的、性格を逸脱していると指摘。報告書が事実上の改憲に向けた論点整理になっており「二院制堅持」といいながら参院の役割・機能を「チェックの院」などに限定し、具体的な改憲方向を示すもので重大だとのべました。
小委員会で採決の結果、賛成多数で調査会への報告が決まりました。
報告書は、(1)二院制の堅持(2)両院の違いを明確にするため参院の改革が必要で選挙制度の設計が極めて重要(3)参院議員の直接選挙制を維持すべき(4)長期的・基本的な政策課題へのとりくみ、決算審査や行政監視・政策評価の充実など衆院と異なる役割を果たす――などの点で共通認識が得られたとしています。
また、(1)党議拘束の緩和など政党との関係(2)参院の構成・選挙制度(3)会期制(4)会計検査院の位置付け、憲法解釈機能・違憲審査的機能――などの点を今後積極的に検討すべきだとしています。