2005年3月21日(月)「しんぶん赤旗」
全国でイラク占領反対
労組、宗教者ら 東京で6千人
大阪で人文字
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「米国はイラク占領をやめよ」「すべての外国軍は出ていけ」―。イラク戦争開始から二年目の二十日、世界と日本の各地で、イラク占領反対の共同行動が繰り広げられました。
東京では同日昼、日比谷野外音楽堂で「いまこそ平和を守るとき 国際共同行動3・20集会」が開かれ、六千人であふれました。全労連や陸・海・空・港湾労組二十団体、宗教者など幅広い団体が実行委員会をつくって開いたもの。
集会は、会場に入り切れず、通路や植え込みの周りもいっぱい。四歳の琳珠ちゃんの手を引いていた東京・大田区の田口大樹さん(28)は「後ろに立っていて壇上が見えなかった。でも、これだけの人がイラクからの自衛隊撤退や憲法を守れと集まっているのに勇気がわきました」。
「和服の和は、平和の和です」と和服姿の女性たち。小・中学生も自分たちで話し合って「せんそう反対」「みんなにこにこ」と書いたプラカードを手にお母さんと一緒です。
壇上では、二十労組の航空安全推進連絡会議の大野則行議長、全労連の熊谷金道議長、日本マスコミ文化情報労組会議の美浦克教議長が決意を表明。前日に同会場で集会を開いた「戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動」の高田健さんも連帯あいさつしました。
各界から、映画人九条の会の神山征二郎監督が「“ここで物を言わなければ”と勇気をふりしぼって来た」とあいさつ。イラク人のハッサン・アリー・ハッサン・アボットさんはイラクの生々しい状況を紹介。前レバノン大使の天木直人さんは「(イラク戦争は)誰が何といっても間違いだ」とのべました。
日本共産党の志位和夫委員長、社民党の保坂展人さんがあいさつ。志位氏が「アメリカは期限を決めた撤退措置をとれ」と訴えると、「そうだ」のかけ声と大きな拍手が起きました。
参加者は集会後、ギターや風船を手に銀座までパレードしました。
反戦の声 世界めぐる
米英軍のイラク侵略戦争開始から二年を迎えて世界各地では、十九、二十の両日、侵略と占領に反対する国際行動が繰り広げられました。イラクに軍隊を駐留させている国では、自国軍の撤兵を要求しました。
欧州では、十数万人が参加。英国のロンドンには約十万人が集結し、戦争に反対し除隊した元英軍兵士もデモに加わりました。イタリアのローマでは、約一万人がベルルスコーニ伊首相に即時撤兵を求めました。このほかスペイン、ポーランド、ギリシャ、スウェーデン、ノルウェーなどで反戦の声が上がりました。
米国では、ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、サンフランシスコの大都市をはじめ全米数百カ所で行われました。
トルコでは、米軍が使用している基地近くで反戦行動が展開され、エジプトのアレクサンドリアでは、約五百人が「米国の侵略と覇権に反対」と書いたプラカードを掲げました。
アジア・太平洋では、イラクに派兵している韓国やオーストラリアの各地で自国軍の撤兵を求める集会、デモがありました。シドニーでは、スカーフをかぶったイスラム教徒も参加し千五百人がデモ行進しました。マレーシアでも集会が開かれ、「帝国主義の戦争をやめよ」のスローガンが見られました。