2005年3月21日(月)「しんぶん赤旗」

「いまこそ平和を守るとき 国際共同行動 3・20集会」での

志位委員長あいさつ(要旨)


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連帯のあいさつをする志位和夫委員長=20日、東京・日比谷野外音楽堂

 日本共産党の志位和夫委員長が二十日の「いまこそ平和を守るとき 国際共同行動 3・20集会」で行ったあいさつ(要旨)は次の通りです。

現代の「魔女狩り」で10万もの人々が殺された

 きょう三月二十日は、米英軍がイラク侵略戦争を開始してから二周年にあたる日です。この日にあたってまず、この戦争によって、どれだけの罪のない人々が殺されたのかを、世界は胸にしっかり刻み込む必要があると考えます。

 昨年十月、イギリスの権威ある医学雑誌『ランセット』が、イラクにおける民間人の死者が十万人を超えたという調査結果を発表しました。その後、十一月から十二月にかけ、ファルージャへの米軍の無差別殺りくが行われ、数千人が殺害されるという大惨事となりました。殺されたのは、ほとんどが女性と子どもたちであり、いまだファルージャの街は、破壊しつくされたがれきのままであります。

 みなさん、これだけの犠牲者を出した戦争に、少しでも大義があったでしょうか。

 口実とされた「大量破壊兵器」問題は、真っ赤なうそだったということが、米国当局者によって明らかにされたではありませんか。

 国連査察団の責任者だったブリクスさんは、うそをもとにイラクを攻撃したのは、中世のヨーロッパの「魔女狩りと同じだ」と厳しく批判しました。現代の「魔女狩り」で、十万を超える人々を殺害した――この戦争犯罪をおかした米国・ブッシュ政権と、それに無条件支持をあたえた小泉政権に対して、この日にあたって、みなさんとともにまず、強い抗議の声をつきつけたいと思います。(拍手)

占領軍は世界でもイラク国民からも孤立――期限きめ撤退を

 同時に、この二年間は、そうした無法な戦争をすすめた者たちが、世界でいよいよ孤立を深めた二年間でした。

 「有志連合」の崩壊がすすんでいます。派兵した三十八の国のうち、撤退もしくは撤退を開始した国はきょうまでの集計で十六カ国、撤退予定または検討している国は四カ国、あわせて二十カ国です。三十八カ国のうち二十カ国です。すでに半数以上が脱落しています。最近、撤兵を表明したブルガリアのマスコミは、「有志連合は死んだ」と書きましたが、まさにそういう事態が進行しています。

 何よりも占領軍は、イラク国民のなかで孤立を深めています。一月に行われた暫定国民議会選挙で過半数の議席をえたイスラム教シーア派の政党連合は、占領軍撤退を強く求めました。選挙に参加できなかったイスラム教スンニ派も、こぞって撤退を求めています。イラクの国民は、スンニ派もシーア派も、宗派の違いを超えて、占領軍の早期の撤退を求めています。この声に耳を傾けるべきではないでしょうか。(拍手)

 ブッシュ大統領の一般教書演説はひどいものでした。「撤退の時間表は決めない」といいはなちました。イラク全土に十六の空軍基地を建設し、居座りを続ける構えです。

 しかし、他国の軍隊の占領が続くもとで、どうしてイラク国民が主人公になった独立した国づくりができるでしょうか。

 私は、米軍に対して、ただちに期限を決めて撤退に向けた措置をとれ――このことをみなさんといっしょに求めたいと思います。(拍手)

自衛隊――米国への忠誠の証しを示すことだけが目的

 崩れつつある「有志連合」にとどまり続けようというのが、日本の自衛隊です。自衛隊派兵の最大の目玉とされた「人道復興支援」、その最大の目玉の給水活動は、もう終了しました。最大の口実がなくなって、どうして派兵を続ける理由があるでしょうか。ますます説明がつかないではありませんか。

 残る理由はたった一つです。アメリカに対する忠誠の証しを示す――ただこれだけしか残っていないではありませんか。ただこれだけのために、自衛隊の派兵を続けて、イラクの国民と「殺し、殺される」事態になったとしたら、とりかえしがつきません。

 みなさん、憲法を踏み破った自衛隊の派兵は、ただちに中止し、ただちに自衛隊を家族のもとに帰せ――このことを、ともに要求していこうではありませんか。ともにがんばりましょう。(拍手)


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