2005年3月21日(月)「しんぶん赤旗」
広がれ平和の波
イラク戦争開始から二年の二十日、全国各地で集会、デモ、宣伝など多彩な行動が繰り広げられました。
願いを込めて平和の歌合唱 大阪
世界反戦共同行動に呼応して、大阪市中央区の大阪城公園では八千人が平和をアピールする人文字をつくりました(大阪労連などでつくる実行委員会の主催)。
人文字づくりに先立ち、イラク人ジャーナリストのハッサン・アボッドさんがかけつけ「平和を願う今日の集まりは希望です。このことを私の国に伝えたい」とあいさつ。日本共産党の石井郁子衆院議員は「アメリカの無法なイラク占領をやめさせ、自衛隊撤退をの声をいっそう大きくしましょう」と訴えました。
参加者は平和を守る願いを込めた歌「SMILE」を合唱。ピンクと青の紙をいっせいに頭の上にかかげ、「平和」と憲法九条の「9」をかたどった人文字をつくりました。
大東市の学生、桑原徳子さん(29)は「参加することで戦争と占領をやめさせることにつながってほしい」と語り、一緒に来た英語教員のアメリカ人男性(24)は「イラクの現状はひどい。米政府の対応は不誠実で信用できない」と話していました。
手形に託した守りたいもの 京都
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京都では府内各地で「イラク占領反対、自衛隊の即時撤退」を訴える行動があり、京都市内では鴨川三条河川敷に団体・グループ、個人が集結。三条大橋いっぱいに横断幕を掲げた青年たちのアピールはひと際目立ちました。
青年たちは友人や通行人ら七百人以上から「戦争で失いたくない大切なもの」を色紙に書いてもらいました。「平和」「家族」「まわりの人」「命」などと書かれた色紙は「それを守るのは私たちの手」との思いで手形に切り抜かれています。
その手形の色紙を、憲法九条の条文が書かれた七十メートルの布に並べて矢印を作成。「憲法九条を守ることは大切なものを守ること。その先には平和がある」とのメッセージが込められています。
実行委員長の土井彩子さん(19)は「自衛隊はイラクに派兵されているけど、ここであきらめたら政府の思うツボ。絶対あきらめないで反対の声をあげ続けたい」と訴えました。
2000人のNO WAR 愛知
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名古屋市では十九日、「イラク戦争反対、憲法を守れ愛知県民集会」が開かれました。晴れわたった青空に向かって「NO WAR LOVE9」と書かれた赤い紙がいっせいに掲げられ、二千人の参加者による「九条」の人文字が、くっきりと浮かび上がりました。
主催は、市民団体や労組、政党では日本共産党や新社会党が参加する「憲法と平和を守る愛知の会」。
「会」の成瀬昇代表世話人は「日本を戦争する国にしないために、憲法守れの声を大きくあげましょう」と訴えました。
イラク人ジャーナリストのハッサン・アボット氏があいさつ。
日本共産党の八田ひろ子前参院議員、新社会党の和田米吉県本部委員長、愛労連のくれまつ佐一事務局長(名古屋市長候補)が連帯のあいさつをしました。
ダンスや演奏青年アピール 兵庫
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兵庫の青年たちが神戸市内で開いた「Peace Festa 2005 in Hyogo」には、のべ二千人が参加。ダンスやバンド演奏、パネルディスカッション、手形アート、平和グッズ販売など思い思いに平和をアピールしました。「青年の主張」では「平和の活動って意味あるんかなとヘコむこともあるけど、こんなに大勢が力を合わせているのを見て元気をもらいました」と女子高校生が発言しました。
終了後、同じ会場で、「平和憲法を守る兵庫県連絡会」が、イラク占領反対、自衛隊撤退を求める集会を開きました。
知ってほしいイラクの実相 岩手
「イラク戦争二周年・平和を願う市民のつどいin岩手」(主催=平和憲法を守る県民懇談会。県生協連、消団連などで構成)が、盛岡市内で開かれ七百人の市民が参加しました。
イラクでの取材を続けているフォトジャーナリストの豊田直巳氏が講演し、町に転がる不発弾や子どもたちだけの墓地など、マスコミでは報じられない現状を紹介。自衛隊が派遣されているサマワを含め、イラク全土に劣化ウラン弾による放射能が残っていることを話し「イラクの人々は検査もできず、原因すらわからない状況で死んでいっている。なぜ復興支援になど役に立たない自衛隊が派遣されているのか」と問いかけました。
参加した四十代の女性看護師は「国に都合の悪いことを伝えないマスコミの問題点がよくわかった。九条を守る運動を進めるうえで、貴重な集会だった」と話しました。
平和を訴える人間を育てて 徳島
日本共産党や新社会党などを含む四十七団体と二十八人の個人が賛同する「3・20平和のためのワールド・アクション徳島」が徳島市内で開かれました。集会と講演会に約千人が参加しました。三百人の人文字やピース・ウオークも実施しました。
リレートークには幅広い参加者が発言。徳島県教職員の会の河野智之さんは「私たち教員は、イラクで武器を持ってがんばる兵隊を育てているのではない。世界に平和を訴えかける人間を育てているのだ」と訴え。日本共産党の春名なおあき前衆院議員は「戦争の理由とされた大量破壊兵器はとうとう見つからず、イラク十万の市民は一体何のために死んだのか。憲法九条改悪を阻止し、日本から世界に平和を発信してこそ犠牲者の供養になる」と指摘しました。
参加した徳島市内の女性(56)は「イラク戦争をやめさせたいといういろんな人の声が聞けて元気がでた。自衛隊を撤退させるために、私も声をあげていきたい」と話しています。