2005年3月23日(水)「しんぶん赤旗」

介護保険改悪案

負担増えサービス制限

介護保険改悪法案について質問する山口富男議員＝22日、衆院本会議

　介護保険制度の見直しにともなう政府の改悪案が二十二日、衆院本会議で審議入りしました。質問にたった日本共産党の山口富男議員は、法案は「介護不安を拡大し、介護をめぐる国民負担増と給付減のレールを敷くものだ」として撤回を強く求めました。

　今の介護制度について国民の不安は、保険料・利用料が重すぎて必要なサービスが受けられず、負担増が今後も続き、施設不足も深刻で待機者が解消されないところにあります。山口氏は、改悪案が、不安解消どころか高齢者に介護サービスの利用制限と大幅な負担増を強いる中身であることを批判（表）しました。

　小泉純一郎首相は、「軽度者居宅サービスは利用者が増大しているものの、介護の状態の維持につながっていない。従来の家事代行型については見直しする」「持続可能な制度にしていくため（施設）入所者の居住費と食費は負担していただく」と介護の実態に目をふさぎ、制度の改悪を推し進める立場を表明しました。

　二〇〇〇年四月一日にスタートした介護保険制度は五年ごとに見直しがおこなわれます。今回の見直しについて、政府は、(1)「給付の効率化・重点化」(2)「予防重視システム」への転換(3)「社会保障の総合化」の名で、社会保障全体を効率的・効果的な体系へ見直す―などを掲げています。