2005年3月25日(金)「しんぶん赤旗」
温室ガス削減15―30%
EUが20年目標
“京都後”へ提起
【ブリュッセル=浅田信幸】二十二、二十三の両日にブリュッセルで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は、地球温暖化防止のための京都議定書の目標達成期限が切れる二〇一二年以後の新たな目標として、二酸化炭素などの温室効果ガスを二〇年までに一九九〇年比で15―30%削減することを提起しました。
具体的数値目標を決めて温室効果ガスを削減する京都議定書の方式を一二年以降は放棄しようとする動きが米国や日本で強まるもと、京都方式をさらに発展させようとする提案です。
閉幕後に発表された議長総括は、「先進国グループは二〇二〇年までに15―30%の排出量削減を想定することが望ましい」と述べています。
また、米国や中国、インドなど京都議定書に未加盟または削減義務を免除されている諸国を地球温暖化とのたたかいに「効果的に巻き込む」ことを重視し、「公正で柔軟な枠組みの下で、目標の差別化をはかる新たなアプローチ」の必要性を指摘しています。
三月初めに開かれたEU環境相理事会はさらに野心的な目標として「二〇五〇年までに60―80%の削減」を掲げていましたが、首脳会議ではこの点までの合意には至りませんでした。