2005年3月27日(日)「しんぶん赤旗」
つくる会歴史教科書
中国外務省が批判
日本政府に適切処理求める
【北京=菊池敏也】中国外務省の劉建超報道官は二十五日、文部科学省で検定作業が進められている「新しい歴史教科書をつくる会」主導の歴史教科書について、「日本の歴史教科書問題の実質は、日本が侵略の歴史を正しく認識し、対応できるかどうかだ」と強調しつつ、日本政府に対して、「アジア近隣諸国の正義の声を重視し、歴史に真剣に責任を負う態度で、この問題を適切に処理」することを求めました。
劉報道官は、すでに外交ルートを通じて日本政府に中国側の立場を伝えたことを明らかにしました。
「つくる会」の教科書をめぐっては、韓国に続き、中国も外交問題としてとりあげ、日本政府に対応を求めたことになります。
劉報道官はまた、東京高裁が十八日、中国人元「慰安婦」被害者が起こした裁判の控訴審で、「日華条約」などを理由に被害者の損害賠償請求を棄却したことについて、「『日華条約』はもともと不法、無効なものであり、中日国交正常化で廃棄ずみ」と指摘しつつ、同条約を理由に判決を下したことは、「国際関係の準則を乱暴に破壊するもの」と批判しました。
同報道官は「日本の指導者と司法当局」に対して、「中日共同声明を厳格に順守し、台湾問題での国際公約を適切に履行する」ことを要求しました。