2005年3月30日(水)「しんぶん赤旗」
消費税 改憲
「経済界の要望に沿って動いている
ことをご報告しておきます」(自民幹部)
日本経団連と自民懇談
「経済界の要望に沿って動いていることをご報告しておきます」。二十九日開かれた自民党と日本経団連との政策懇談会で、自民党政調会の与謝野馨会長以下二十六人の幹部議員から、こんな発言が相次ぎました。
企業献金を拠出する基準となる政策評価の一環として開いたもので、日本経団連側からは約三百九十人が出席しました。
経団連側から出た要望は―。「社会保障負担のために新たな消費税率の引き上げを含む新たな税負担は避けられない」(西室泰三副会長)
「環境税創設には反対だ。環境と経済の両立をはかるべきだ」(千速晃副会長)
「能力があって早く仕事をする人よりも、能力が低く時間がかかる人の賃金が高いというおかしな実体がある」(柴田昌治副会長)、「憲法九条二項と九六条の改正が急がれる」(三木繁光副会長)
日本経団連側が政策要望を畳み掛けたのに対し、自民党側も担当幹部がかわるがわる応答しました。
「消費税を含む税体系の抜本改革については平成十八年度から手掛けていく。経済界からも適切な意見を寄せていただきたい」(津島雄二・税制調査会長)
「環境税そのものが必要なのかどうか」(野田毅・石油等資源エネルギー調査会長)
「憲法九条二項の戦力は持たないという規定はやめにしよう、自衛隊を憲法上の存在としてはっきりさせようという方向で党内の足並みはそろっている。第三項を設けて(自衛隊の)国際貢献を書くべきとの有力意見もある」(与謝野会長)
「経済界と密接な関係がある武器輸出三原則については緩和した。経済界のみなさんの要望に沿った形で動いていることを報告させていただく」(額賀福志郎・安全保障調査会長)
経済界の注文や要求に沿って政策実現に取り組んでいることへの理解を求める発言が続きました。
消費税増税については日本経団連も一枚岩ではなく、住宅生産団体連合会長の和田勇積水ハウス社長から「三十歳代の若者の住宅志向は80%強ある。消費税がいま上がると家を持ちにくくなる。現在の5%も大変高い。これから二子三子をつくる世代に重くのしかかっている。少子化対策の上からも配慮願いたい」と安易な消費税増税論をけん制する発言も出ました。