2005年4月2日(土)「しんぶん赤旗」
在宅介護
160万人のサービス抑制
厚労省 中身これから検討
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軽度者の介護サービス利用を抑制し、施設利用者の食費、居住費を全額自己負担とする介護保険法改悪案が一日の衆院厚生労働委員会で審議入りしました。尾辻秀久厚労相は軽度者への「新予防給付」導入により、訪問介護など従来の在宅サービスを制限される人が百五十万から百六十万人にのぼることを初めて明らかにしました。日本共産党の山口富男議員への答弁。
山口議員が質問 衆院委
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「新予防給付」に移る高齢者は、現行の要支援の六十六万人と要介護1の百三十万人のうちの七―八割(九十万―百万人)です。
厚労省は、軽度者が利用する介護サービスが“効果をあげていない”と宣伝し、軽度者のサービス利用を減らそうとしています。山口氏は、同省自身が出している「介護給付費実態調査結果」(グラフ)を示し、根拠がないことを明らかにしました。同調査では、一年間継続してサービスを利用した要介護1の八割以上が「維持」「改善」されています。
山口氏が「(軽度者が)一番状態が維持されているではないか」と指摘。厚労省は反論できませんでした。
軽度者向けのサービス見直しとして改悪案は「新予防給付」を導入し、訪問介護のうち「家事代行型」は「原則廃止する」としています。山口氏は、調理、洗濯、掃除、買い物などの家事にかかわるサービスが利用者の生活を支えている実態調査を示し、「行わないものを具体的に示してほしい」と追及しました。
中村秀一老健局長は「これから既存サービスの内容、提供方法、期間について検討する」とし、具体的中身は先になることを表明。
山口氏は「百五十万人の人にたがをはめる(サービス利用を制限する)のに、その中身を示せというと時間がかかるというのでは、何を審議しろというのか」と批判しました。