2005年4月5日(火)「しんぶん赤旗」
郵貯・保険は全株売却
郵政法案政府骨子 民営化後10年以内に
月内提出へ
政府は四日、郵政民営化関連法案の骨子を決め、細田博之官房長官が発表しました。郵便局の全国配置を義務付けたり、株の買い戻しも「容認」するなど、なんのための郵政民営化か、ますますわからなくなりました。
最大の焦点だった貯金、保険両社株の扱いは、二○○七年四月の民営化開始後十年以内の完全売却を義務付けました。一方、一七年以降はグループ経営ができるよう、株の買い戻しも含め持ち株会社と四事業会社の資本関係維持を容認しました。政府は今月中の法案提出に向け、自民、公明両党との郵政改革会議を小泉純一郎首相も出席して五日に開き、最終調整に入ります。
首相は四日夕の党役員会で「骨子は十分党の議論に応えたものだ。ぜひ党内の理解を得られるようお願いしたい」と、党内調整を進めるよう指示しました。
政府は、首相がインドネシア訪問に出発する前の二十日にも閣議決定する日程を想定しています。
法案骨子は、麻生太郎総務相や竹中平蔵郵政民営化担当相ら関係六閣僚でまとめましたが、貯金、保険両社株の扱いは「一体的経営」を重視する麻生氏と完全売却を求める竹中氏との間で調整がつかず、首相裁定に持ち込まれました。
骨子は、昨年九月に閣議決定した基本方針の柱である四分社化を堅持。その上で(1)郵便局の全国配置を義務付ける(2)貯金、保険の全国一律サービスを維持するため、持ち株会社に総額一兆円規模の基金を創設し、赤字を補てんする―ことなどを盛り込みました。
さらに、システムに問題があれば、民営化の開始時期を最大六カ月延期できることを明記しました。