2005年4月13日(水)「しんぶん赤旗」
政党助成金を災害見舞いなどに使っては?
〈問い〉 日本共産党が政党助成金を受け取らない理由はわかりますが、いったんは受け取って、国民の施設へのカンパや災害被災者への見舞金として使ってはどうですか。(埼玉・一読者)
〈答え〉 ご提案のお気持ちはよくわかります。しかし、政党助成という制度は、議員数や国政選挙の得票にもとづいて、国民一人あたり250円、総額で317億円にのぼる税金を、政党のあいだで山分けするもので、政党を支持する、しないという意思に関係なく国民に献金を強制し、政党へ資金提供することになります。本来、政党などへ「寄付をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏をなす」(牛島税理士訴訟最高裁判決)国民の大切な権利であり、自由な意思にもとづいておこなわれるべきです。この制度は、「思想良心の自由」(19条)を保障した憲法原則を踏みにじるものです。
助成金制度はまた、国民と結びついた活動を通じて資金をつくるという、政党の政治資金の本来のありかたを弱め、ひいては政党を堕落させます。政党収入の内訳をみてみるとその一端がみえてきます。03年の政治資金報告によれば、自民、民主両党の政党本部収入に占める助成金への依存率は、それぞれ59・9、96・8%にも達する一方、個人献金は、1・2%、0・0%(255万円)という状況です。「2大政党」の台所の資金は、自由意思にもとづく個人献金を増やす努力を怠り、税金にどっぷりと漬かっている実態を浮き彫りにしています。
日本共産党は、助成金の受け取りを一貫して拒否し、国民に依拠した財政活動を展開し、この制度の廃止を訴えてきました。このことは、日本共産党の誇りです。
どのような名目であれ、助成金を受け取ることは、憲法違反の仕組みを容認し、政党資金を税金に依拠する政党と同じ立場に落ち込み、国民の信頼を失うことになります。
助成金の受け取りをきっぱりと拒否し、政党助成制度そのものを一日も早く廃止していくことこそ、ゆがんだ状態を正すことにつながると考えます。(岡)
〔2005・4・13(水)〕