2005年4月15日(金)「しんぶん赤旗」

日本の歴史教科書問題

日本は過去を認め全面的に謝罪を

英紙が社説


 英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)十二日付は、日本の侵略戦争を美化する歴史教科書の問題や中国での一連の「反日デモ」などに関連して、「アジア人の非難合戦」と題する社説を掲載しています。

 社説は「日本が一九三〇年代から四〇年代にかけてのアジアにおける残酷な帝国主義について真剣に謝罪しようとしないのに対し、ドイツが欧州でのナチの残虐行為を全面的に認めてきたのは極めて対照的だ」と指摘。一方で、「戦後の和解には、加害者の反省と同時に、犠牲者からの許しも必要だ」と述べています。

 また「中国の指導者たちは、暴力的な反日デモを大目に見た。中国の歴史教科書は、自らの指導者たちが引き起こした飢餓や流血、混乱についてはほとんど無視している」と指摘し、こう結んでいます。

 「(今のような事態は)中国の安定と、北東アジアの安全保障にとって危険である。事態の沈静化に向け、双方には謙虚な気持ちが求められている。日本は過去を正直に認め、全面的に謝罪すべきだ。中国も、不満を繰り返し述べるのでなく、和解の手をさしのべる用意が必要だ」


日本は若者に歴史の真実を

インドネシア英字紙

 インドネシアの英字紙ジャカルタ・ポスト八日付は「立ち往生した日本の成熟度」と題する論評記事を掲載し、「日本は、世界の平和と繁栄へ引き続き貢献していくためにも、歴史の真実を若者たちに教えるべきだ」と訴えました。

 記事は、日本の文部科学省が侵略戦争を美化する中学校用歴史教科書を検定合格とした問題が国際的な論争をよんでいる問題にふれ、こう述べています。

 「ドイツのシュレーダー首相がアウシュビッツのナチ強制収容所解放六十周年での演説で、第二次世界大戦での過った行為を認め、過去から学ぶと述べたことに注目すべきだ」「なぜなら、われわれは、日本の若者たちと話す時、彼らの歴史、特に日本が戦争で果たした役割についての知識は、多くの人びとが期待するほど完全ではないことがすぐわかるからだ」

 さらに、「日本は過去の自らの役割についての判断を、十分誠実に下しているだろうか?」「日本の指導者たちの自国の戦争の歴史についての言動が、いつまでも自己弁護的なものである限り、発言者にはねかえってくる弾は絶えないだろう」と警告しています。


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